皆さんこんにちは。TOEFL®テスト対策は順調に進んでいますか?
3月末に、京都の同志社大学でTOEFL®テストのセミナーを行う機会をいただきました。参加者は主に大学関係者でしたが、中学・高校の教員の方も結構いらっしゃって、今後ますますTOEFL®テスト対策が留学だけでなく大学受験や教員の方々にとっても重要になっていくのだろうなぁ、と再認識しました。あと京都のおばんざいってやっぱり美味しい!ノーベル賞ものだ!と再認識しました(笑)。
さて今回はTOEFL iBT®テスト対策シリーズ連載第3回目です。
皆さん初めまして、こんにちは。 TOEFL® Web MagazineでTOEFL iBT®テスト対策シリーズを連載させていただくことになりました。 担当の五十峰 聖(いそみね・せい)と申します。 簡単な自己紹介ですが、生[…]
皆さんこんにちは。だいぶ春らしくなってきましたね。日本では新たな年度の始まり、何かと新しいことにトライする意欲が沸く人も多いのではないでしょうか。皆さんもHigh spiritを持ってTOEFL®テスト対策に取り組んでいきましょう。 […]
今回はWritingについてお話していきましょう。Speaking同様、まずは概要から始めて、今後皆さんが対策を進めるにあたって注意すべき点などについて述べていきます。
では念のために、試験形式から確認しましょう。
1. Writingは本試験の一番最後
本試験はReading⇒Listening⇒休憩⇒Speaking⇒Writingの順に行われます。またWritingセクション内では、Integrated Task(ReadingとListeningを基にエッセイを書く)⇒Independent Task(与えられたトピックに対して自分の意見を述べる)の順に行われます。
まだ本試験を未受験の方のためにいっておきますが、ここで気を付けなくてはいけないのは、TOEFL iBT®テストは昔のペーパー試験(TOEFL® PBTテスト)やその他の英語のテストのように、一斉に試験が開始されるわけではない、ということです。朝のチェックインの受付順に着席して、準備が整ってから各自のタイミングで始めるのです。それがWritingにどう影響するのか?
自分があまりに早くWritingを始めてしまうと、周囲の受験者がまだSpeakingの真っ最中である可能性があるわけです。そうすると、Writingの最初の課題はListeningが必要なIntegrated Taskですから、必要な情報を聞き取ろうとしている時に、周りの受験者の話す声によって集中力を乱される可能性もある、ということを覚えておきましょう。
だからといって遅れて会場に到着しろ、ということではないのですが、無理して焦って早く始める必要はないよ、ということです。もっとも、周りの声ぐらいでは乱されない集中力を鍛えることも大事ですよ。
2. 採点は人間とコンピューター
Speakingと違い、Independent writing Taskは人間の採点者とコンピューター(e-rater®と呼びます)によって採点されます。それぞれの採点には特徴があり(あまり細かい技術的なことに関しては深入りしませんが)、e-raterでは測れない部分、例えば言葉の有効的な使い方や、回答の内容の適切さ、アイディアの質、などを人間の採点者が見るようになっています。この違いを考慮した上でのWriting対策は、今後の連載でアドバイスしていくつもりです。
3. Independent Taskのトピック・形式に関して
出題されたトピックに対して30分で自分の意見を展開していきます。TOEFL® Official Guideをお持ちの方は読んだことがあるかもしれませんが、Independent Taskのトピックの例がOfficial Guideには含まれています。ここには様々な分野と形式のトピックが含まれていますが、最近の傾向としては二択問題、つまりDo you agree or disagree?系列のトピックが出題されています。ですから、Official Guideの中にあるWhat…?とかHow…?などのトピックに関しては心配せずに、agree/disagreeの形になっているトピックの対策を進めるほうがよいでしょう。また二択でも、Which do you prefer…?のようにpreference、つまり好みを問うトピックはWritingでは出題されなくなっています(ちなみにwhat/howやpreferenceを問うトピックはSpeakingのTask 1と2で問われますので、Speaking対策としてはネタ準備をしておくことは有効的です)。
4. Integrated Taskのトピック・形式に関して
Integrated Taskはアカデミックトピックで、Reading(3分)で提示されるトピック・主張に対してListening(2分程度)で議論します。そして20分でそれらの情報に基づきWritingを行います。ここでは自分の意見は求められず、あくまでもReadingの情報とListeningの情報の関係性についてまとめます。Readingのパッセージ(長文)は3分経つと一旦消えてListening中には読めません。が、Writingの時間が始まると、画面左側にまた表示されますので参照する事ができます。
5. タイピングに関して
手書きで書かせる他の試験とは違い、パソコンでエッセイを書くわけですが、皆さんのタイピングスキルはどうですか?社会人の方で、仕事でパソコンを使い慣れているという方は問題ないと思いますが、私が今まで教えた大学生は、ケータイばかり使っているのでパソコンのキータッチが遅い、という生徒が結構多かったですよ!ブラインドタッチを極めたりする必要はありませんが、これも留学生活の準備だと思って、今のうちにタイピングスキルを上達させておきましょう。
かといって、タイピング練習ソフトを購入したりする必要はありません。ではどうするのか?Official Guideなどに載っているTOEFL®テストのサンプルエッセイを見ながら、ひたすらそれを自分でそのまま真似して打ち直すのです。そうすることによって、タイピングのスキルだけでなく、普段自分では使わないような表現、段落構成、アイディアの展開の仕方、なども同時に吸収する事ができます。
一つ落とし穴が!本試験会場では、日本式のキーボードではなく、アメリカ式のもの(QWERTY keyboardと呼ばれるもの)が使われます。何が違うかって?基本キーの配置は同じなのですが、記号などが微妙に違う所にあるので、初めての時は多少困惑するかもしれません。キー配列を示した表が各パソコンに置いてありますので、時間のある時に目を通しておきましょう。
6. 文字数に関して
最後に、結構多くの人が気になる文字数について簡単に説明します。本試験を受ける際には、Writingセクションの指示が画面に出ると、「目安としては大体このぐらいの文字数書いてね」と数字が出されます。
Independent Task = 300 words
Integrated Task = 150 – 225 words
自分がエッセイを書いているときには、画面右上に文字数カウンターが表示されますので、その時点で何語なのかわかるようになっています。
ここで覚えておいていただきたいのは、これらはあくまでも目安であり、絶対に守らなくてはいけない、ということではありません。今までに多くの生徒さんから「語数を増やすにはどうしたらよいか」と質問を受け、また多くの塾や教材で「語数を増やすマル秘テクニック!」みたいなことをやっています。ETSによると、採点者にはワード数は表示されず、あくまでも書かれたエッセイの内容を採点対象とするそうです。もちろん語数が多いほうがそれだけ内容も厚くなり、いろんな展開ができますが、内容が伴わないのに語数だけやたらに増やしても意味がありませんよね。また目安の語数に足らなくても高得点はでますし、足りているまたは超えているのに点数が伸びない、という場合もあります。あくまでも内容と文章のレベル次第だと思ってください。
いかがでしょう?Writingに関する大まかな理解はできましたか?今後はより細かく、気を付ける点や練習方法などを指示していこうと思います。
それでは宿題です。英語だけなのでちょっと読みづらいかもしれませんが、一度採点基準(Scoring Rubricsといいます)に目を通しておき、これができないといけないんだ、これは間違えてもいいんだ、というのを理解しておくと良いと思います。
五十峰 聖先生
桜美林大学 芸術文化学群 特任講師
ETS Authorized Propell® Facilitator
ETS TOEFL ITP® Teacher Development Workshop Facilitator
上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。
関連情報
Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test
各セクションは0~30のスコアで評価され、そのスコアに応じて4または5段階のレベルに分けられます。このレベルはTOEFL iBT®テストにおけるCEFR levelを反映しています。
TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Speaking)
Speakingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT®test」と併せてご活用ください。
SpeakingはETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されており、Delivery(話し方)/Language Use(語彙の使い方)/Topic Development(トピックの展開)の大きく3つのポイントに分かれています。
TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Writing)
Writingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test」と併せてご活用ください。
Writingに関してもETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されています。
英語圏に限らず、世界の大学・大学院、その他機関で活用されています。また日本国内でも大学/大学院入試、単位認定、教員・公務員試験、国際機関の採用、自己研鑽、レベルチェック、生涯学習など活用の場は広がっています。
自宅受験TOEFL® Essentials™テスト
2021年から自宅受験型の新しいテストとしてリリースされました。約90分の試験時間、短い即答式タスクが特徴のアダプティブ方式の導入されています。公式スコアとして留学や就活などにご利用いただけます。
TOEFL ITP®テストプログラムは、学校・企業等でご実施いただける団体向けTOEFL®テストプログラムです。団体の都合に合わせて試験日、会場の設定を行うことができます。全国500以上の団体、約22万人以上の方々にご利用いただいています。