皆さんこんにちは。いよいよ2014年になりましたね。今年も引き続き、読者の皆さんのスコアアップに少しでも役立つ情報を発信していくつもりですので、よろしくお願いいたします。
さて新年最初の連載は、WritingセクションのIndependent Taskについてです。第8回ではIntegrated Taskについて書き
皆さんこんにちは。秋もだいぶ深まってきましたね。TOEFL®テスト学習の進捗状況はいかがでしょうか。 前回では、簡単にIntegrated Writingの概略に触れましたね。念のために該当部分を以下に再掲載し[…]
Independent Taskについては、第3回でセクションの概要やスコアの説明などを行ったのみでした。初めての方や記憶が曖昧な方は、是非とも読み返してみてください。
皆さんこんにちは。TOEFL®テスト対策は順調に進んでいますか? 3月末に、京都の同志社大学でTOEFL®テストのセミナーを行う機会をいただきました。参加者は主に大学関係者でしたが、中学・高校の教員の方も結[…]
さて今回は実際のエッセイ例などを通して、Independent Taskの注意点について学習しましょう。
ではまずいくつかの注意点を指摘することから始めます。これらは私個人の主観に基づくものではなく、テスト作成者や採点者、つまりETSの基準や方針に基づくものであります。残念ながら世の中には、個人の主観や経験だけで作られ販売されている教材が多く出回っており、Writingセクションに関しても実際のTOEFL®テストでは全くそのようなことはないのに、あたかもそれを守らないといけない、というような戦略やテクニックがたくさんあります。Writingのスコアアップに関係ない情報で困惑するのは皆さんですから、まずはここでしっかりとした情報を入手しましょう。
Independent Task 注意点 1. 段落数は関係ない
TOEFL®テストをよく知らない英語ライティングの先生がよく行うのが「必ず5段落構成にしなさい」などと段落の数を指示する指導です。そのうち1つはintroduction、1つはconclusion、残り3つはボディパラグラフにあてる、などの構成を基本とする形式ですね。それはそれでオーソドックスなTOEFL®テスト以外のエッセイとしてはよくある形式です。しかし、TOEFL®テストにおいては30分という制限時間の下、draft(下書き)もなくいきなり即興で書く、ある意味特殊なエッセイですので、通常のエッセイの形式に沿う必要はありません。また採点基準に「パラグラフの数はX以上あること」などの指定も記述されていませんし、公式テキスト(The Official Guide to the TOEFL® Test)に含まれている高得点のsample essayでも段落数はバラバラです。私自身過去に、Independent taskで段落を1つしか作らなかったのに満点を取ったことがあります。
段落を作る必要がない、ということではありません。あくまでも「段落をX個書かなくてはいけない」という概念に縛られる必要はない、ということです。数で判断されるのではなく、内容で判断されるのです。
Independent Task 注意点 2. 理由の数は関係ない
これも注意点1の段落の数と関係してきますが、必ずしも理由を2つもしくはそれ以上書かなくてはいけない、ということはありません。トピックによっては理由以外の展開をすることができます。例えばこんなトピックはいかがでしょうか。
(「人々は必要のない物を購入する。なぜなら他人が持っているからだ。」という意見に賛成か反対か)
これをagreeの立場で展開するとしましょう。
「皆と同じものを持っていると、人々は安心する」という理由ですね。ではこれを更に掘り下げて説明していきます。
「皆が持っている物」の例としてiPhoneが出ていますね。自分の友人達に聞いても、役に立つから購入したのではなく、周りの人達が持っていたから、持っているとカッコいいから、ある種のステータスを感じる、などの理由で購入したわけです。そして最後にはこのエッセイを書いている本人も結局は買ってしまうわけですね。
さてこの続きですが、2つ目の理由がこないといけないのでしょうか?みてみましょう。
どうでしょう?2つ目には理由ではなく、「皆が持っている物を買う」2つ目の例になっていますよね。iPhone同様に、またはそれ以上に周りの人が何を着ているか気になる、そしてメディアの情報を参考にして、周りに合わせるかのように、着る服を購入するわけです。
よくある「5段落構成」の指導ですと、以下のような展開にするよう一般的に指導されます。
→理由 1
→理由をサポートする例 1つ目
→理由 2
→理由をサポートする例 2つ目
→理由 3
→理由をサポートする例 3つ目
結論
ですが今回の例ですと
→理由をサポートする例 1つ目
→理由をサポートする例 2つ目
という展開になっていますよね。これでも全く問題ないのです。必要以上に理由の数を増やすより、1つの理由をしっかりとサポートする方が大事です。
Independent Task 注意点 3. 結論は必要ない
これもよく間違って信じている人が多いのですが、結論は別になくても構いません。結論というのは、よほど長い論文やリサーチなどであれば、その発見や研究結果をまとめるために必要ですが、たかが300語程度のエッセイには必要ありません。またETSの採点基準に「conclusionがなければ減点」とも書かれていません。なのに、間違った指導をする参考書や学校では「結論に厚みを持たせて印象をよくしろ!」ですとか「それまで書いた内容を、結論でもう一度全部書け!」とか、必要以上に重きを置いています。もちろん、時間に余裕があれば、そして余計な事(新たなアイディアなど)を書かなければ、最後に簡単にまとめることはマイナスではありませんよ。これもまた「絶対に書かなくてはいけない」概念から解放されてください。
いかがでしたか?皆さんが少しでも「必要のない事をしない」ことを願っています。Writing Independent Taskは皆さんが思っている、また教わった以上に柔軟で、「こうしなくてはいけない」というルールが少ないのです。繰り返しますが、そういった形式的な事にこだわる試験ではなく、あくまでもロジックの展開、情報の詳細さ、サポートの適切さ、など内容に関わる点が見られているのです。
とはいってももちろんライティング能力が試されるセクションでもありますから、今回はあまり触れなかった文法やワードチョイスにおけるミスや意味不明な表現などが含まれていてはスコアは伸びません。それらを減らす努力を怠らないようにしましょう。
皆さんこんにちは。2月はどのように過ごされたでしょうか。大学生の方はすでに春休みに入っているかと思います。海外に旅行したり、自動車免許を取ったりなど忙しく過ごしていることでしょう。そういえば以前、大学生の教え子がCIEEの海外ボランティ[…]
五十峰 聖先生
桜美林大学 芸術文化学群 特任講師
ETS Authorized Propell® Facilitator
ETS TOEFL ITP® Teacher Development Workshop Facilitator
上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。
学習サポート・関連情報
★テスト受験までの8週間サポート★
初めてTOEFL iBT®テストを受験される方のうち、次の対象者には週1回✖️8週間 の受験支援メール配信とTOEFL iBT® Test Prep Plannerの無料配送を行っています。
対策塾などに通わず、独学で勉強されている皆さん、「TOEFL®テストの勉強は孤独・心配・不安…」と感じていませんか?
ETS Japanは、8週間サポートを通じて、学習計画の立て方や、勉強に必要な情報の探し方をお手伝いします。目標スコア獲得に向けて受験日まで一緒に進んでいきましょう!
★公式教材を利用して目標スコアを目指そう★
目標スコア別に公式教材を利用した学習法を教材ショップのスタッフがご提案。学習の目安や各教材ごとの学習方法など、ぜひ参考にしてください。
Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test
各セクションは0~30のスコアで評価され、そのスコアに応じて4または5段階のレベルに分けられます。このレベルはTOEFL iBT®テストにおけるCEFR levelを反映しています。
TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Speaking)
Speakingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT®test」と併せてご活用ください。
SpeakingはETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されており、Delivery(話し方)/Language Use(語彙の使い方)/Topic Development(トピックの展開)の大きく3つのポイントに分かれています。
TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Writing)
Writingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test」と併せてご活用ください。
Writingに関してもETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されています。
英語圏に限らず、世界の大学・大学院、その他機関で活用されています。また日本国内でも大学/大学院入試、単位認定、教員・公務員試験、国際機関の採用、自己研鑽、レベルチェック、生涯学習など活用の場は広がっています。
自宅受験TOEFL® Essentials™テスト
2021年から自宅受験型の新しいテストとしてリリースされました。約90分の試験時間、短い即答式タスクが特徴のアダプティブ方式の導入されています。公式スコアとして留学や就活などにご利用いただけます。
TOEFL ITP®テストプログラムは、学校・企業等でご実施いただける団体向けTOEFL®テストプログラムです。団体の都合に合わせて試験日、会場の設定を行うことができます。全国500以上の団体、約22万人以上の方々にご利用いただいています。