第23回 TOEFL iBT®テストSpeaking対策 公開添削指導③Speaking Independent Task

第23回 TOEFL iBT®テストSpeaking対策 公開添削指導③Speaking Independent Task
皆さんこんにちは。2015年が始まりましたね。それぞれの新たな決意・目標に向かって頑張っていきましょう。本年もTOEFL®テスト Web Magazineをよろしくご贔屓ください。

今回の連載は、引き続きSpeaking公開添削指導です。ユイさん(10代女性、学生)には引き続き頑張ってもらうと同時に、新たな学習者の方にも登場していただきます。今回から参加していただくヤマトさん(20代男性、浪人生)に、今までの学習経歴や課題などを振り返っていただきました。

 

初級(大学入試程度を想定) 中級(交換留学程度を想定)
学習者のご紹介
浪人生
ヤマトさん

  現在の英語力
TOEFL iBT®テスト:77点 (R: 20、L: 18、S: 19、W: 20)、英検2級
 TOEFL iBT®テストを受験する理由
カナダの大学に進学し、経済・経営を勉強したい。
 今までのSpeakingの学習状況はどうか
Speakingの学習状況は最低限のことはできている気がするが、これといった勉強方法がわからず伸び悩んでいる。即座に完璧に論理構成することを難しく感じている。またどのようなSpeakingが高評価をうけるのか、明確に認識できていない。
 TOEFL iBT®テストの学習で困っている点や悩んでいる点
TOEFL iBT®テストの学習ではアウトプットのWritingとSpeakingの採点基準がわからずどのように解答すべきかわからない。

 

すでにSpeakingで19点でていますので、ある程度の基礎はできていると言えそうですね。あとはスコアが伸びるようにどうすればいいのかが判明すると良いですね。一緒に頑張っていきましょう。

 

出題Taskとポイント

前回の連載の最後に、今回扱うTask 2のトピックを提示しておきました。

 

Topic
“Some college students choose to take courses in a variety of subject areas in order to get a broad education. Others choose to focus on a single subject area in order to have a deeper understanding of that area. Which approach to course selection do you think is better for students and why?”
(準備時間:15秒、解答時間:45秒)

気をつけるポイント

  1. 比較・対象
    A broad education (幅広い知識)と a deeper understanding of a single subject(深い専門知識)の比較ですね。また対象が大学生になっていることもポイントです。つまり大学とはどのような知識を得るべき場所なのかを問うトピックと言えます。
  2. 価値判断
    “Which do you prefer?”(どちらを好むか)ではなく、”Which…do you think is better for students?”(学生にとってより良いのはどちらか)になっていることに注意です。解答する際の基準を自分の好みだけにするのではなく、あくまでも世の中の大学生たちにとって良いのはどちらか、という客観的・普遍的な視点から答える必要があります。細かいようですが、ちょっとした解釈の違いで解答の方向性もだいぶ変わってしまいますので、トピックを読み間違えず、訊かれた通りに答えるよう常に心がけましょう。
  3. “course”とは
    おそらく大丈夫だとは思いますが念のため。アメリカ英語でいうcourseとはいわゆるclass、つまり授業の事を指します。日本で「コース」というと「文系・理系コース」のように進路的な意味合いが含まれると思いますが、ここではそれは関係なく、単なる授業の取り方という観点で問題ありません。

 

読者の皆さんもよかったら本番のつもりで、各自45秒で話して録音してみてはいかがでしょうか。

 

ユイさんの提出と五十峰先生からのフィードバック

このトピックでユイさんに1回目の録音を提出していただきました。録音にあたっては初回の録音でも良いし、数回練習してからでも良いとの指示を出しました。
では、ユイさんの解答を聞いてみましょう。ユイさんには何回かパターンやネタを変えてトライしてもらいましたが、そのうちの1つです。

ユイさんの音声

 

さて今まではフィードバックをこのWeb上に文字で公開していましたが、通勤通学中の電車の中など、スマートフォンやタブレットでちょっとした隙間時間に何度も確認いただけるように、実際に学習者に送る「音声フィードバック」で紹介することにしました。私のコメントが所々に挿入されており、最後にも全体的な感想があります。その分全体が長くなっていますが、学習者達がどのように指導されているのかがわかって面白いかもしれません。

 

五十峰先生からの音声フィードバック

これに対する私のフィードバックです。

 

 指導ポイント

  • 意見と具体例の整合性をとる
  • delivery(音声面)をもっと強く、ハキハキと

というところでしょう。ユイさん、引き続き頑張ってくださいね!

 

ヤマトさんの提出と五十峰先生からのフィードバック

ではヤマトさんの解答を聞いてみましょう。ヤマトさんにも何回かパターンやネタを変えてトライしてもらいましたが、そのうちの1つです。

ヤマトさんの音声

 

五十峰先生からの音声フィードバック

指導ポイント

  • deliveryにおいて、スピードと明瞭さのバランスを取る
  • 冒頭ではストレートに意見を言う
  • サポートとなる詳細や例をもっと足す

 

次回までの課題

では皆さんに宿題です。次回扱う Speaking Independent Task のトピックを記しておきますので、各自で録音練習を行ってみてください。

 

Topic
“Describe a famous person you admire. Use details and examples in your response.”
第21回 TOEFL iBT®テストSpeaking対策 公開添削指導① Speaking Independent Taskと同じ)

Topic.2
“What characteristics do you think make someone a good parent? Explain why these characteristics are important to you.”
(両Topicとも、準備時間:15秒、解答時間:45秒)

 

今回は僭越ながら私の音声指導まで聞いていただきました。やはり音声ですと発音・イントネーションなども模範を示すことができ、活字にする以上に個人的な指導ができるので、私としてはとてもやりやすいと思っています(指導される方は大変かもしれませんが!)。引き続きこのスタイルで添削していこうと思いますので、楽しみにしていてください。

それではまた次回にお会いしましょう!

 


 

五十峰 聖先生 
桜美林大学 芸術文化学群 特任講師

ETS Authorized Propell® Facilitator
ETS TOEFL ITP® Teacher Development Workshop Facilitator

#五十峰聖先生

 

 


上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。


 

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Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test
各セクションは0~30のスコアで評価され、そのスコアに応じて4または5段階のレベルに分けられます。このレベルはTOEFL iBT®テストにおけるCEFR levelを反映しています。

toefl_speaking_rubrics

TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Speaking)
Speakingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT®test」と併せてご活用ください。
SpeakingはETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されており、Delivery(話し方)/Language Use(語彙の使い方)/Topic Development(トピックの展開)の大きく3つのポイントに分かれています。

TOEFL iBT Writing Section Scoring Guide TOEFL iBTテスト スコアガイド (Writing)

TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Writing)
Writingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test」と併せてご活用ください。
Writingに関してもETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されています。

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