第29回 TOEFL iBT®テスト Speaking対策 公開添削指導⑦ Integrated Task 3の対策法

第29回 TOEFL iBT®テスト Speaking対策 公開添削指導⑦ Integrated Task 3の対策法

皆さんこんにちは。いよいよ夏休みの時期になりました。仕事、旅行、そして短期留学などで海外に行かれる方も多いのではないでしょうか。実践的な英語をたくさん使える機会があると良いですね。是非とも気を付けて行ってきてください。また留学出願を考えている方は、この夏が頑張りどころになると思います。秋になると出願書類などの準備で忙しくなりますので、できるだけ夏の間に希望のスコアがとれるよう、集中してください。

さて今回の連載は、前回に引き続きSpeaking Integrated Taskについてです。実際に学習者の方に参加していただき、注意点などを一緒に学習していきましょう。

 

学習者のご紹介

前回は、動画を使ってTask 3の注意点を復習していただきました。今回は実際に問題を体験して、学習者のサンプル解答を聞いていただきます。まずは学習者のユウマさん(20代男性、大学生)をご紹介いたしましょう。

中級(交換留学程度を想定) 上級(正規留学程度を想定)
学習者のご紹介
大学生
ユウマさん

  現在の英語力
TOEFL iBT®テスト:81点(R:20、L:20、S:21、W:20)
TOEIC®テスト830点、英検準1級。
 TOEFL iBT®テストを受験する理由
大学院進学後の交換留学と、その後正規学生としての留学を考えている。
 今までのSpeakingの学習状況はどうか
2年前にアメリカに語学留学に4か月行った際に学んだことがほとんどで、特にTOEFL®テストに特化して学んだことはない。
 TOEFL iBT®テストの学習で困っている点や悩んでいる点
2年ぶりの受験ということと、その時の記憶としてReadingとListeningは運よく当たった感覚が強く、自信を持って解答できていない。スピーキングも要点をつかんで話したというより、手当たり次第分かったことや考えたことを話したように感じる。

 

スコアを見る限り各セクション20点平均ですので、バランスの良いスキルを持たれている方ですね。特に多くの学習者にとって壁になっているSpeakingセクションでの20点越えをすでにされているので、今後益々伸びが期待できます。大学院での勉強を目標とされている方ですから、恐らくスコアとしては90~100程度は必要となってくると思いますので、25点平均に持っていけるよう、頑張りましょう。

 

Integrated Task 3 – 問題

 

Directions:
The university is making a change in the courses it will offer. Read the article from the university newspaper about the change. You have 45 seconds to read the article.

 

Reading Time: 45 seconds

Sculpture Courses to Be Discontinued

University administrators announced yesterday that the sculpture program, a division of the art department, will be eliminated. “The main reason is a lack of student interest,” reported one administrator. “Although the number of art students has increased, fewer and fewer art majors are taking sculpture classes.” Furthermore, the department’s only sculpture professor is retiring this year. “Given the art department’s limited budget,” the administrator explained, “it just doesn’t make sense to hire a new full-time professor to teach sculpture for only a handful of students.”

 

Now listen to two students discussing the article.

 

 

Question:
The woman expresses her opinion of the university’s plan. State her opinion and explain the reasons she gives for holding that opinion.
Preparation Time: 30 seconds
Response Time: 60 seconds

(TOEFL iBT® Quick Prep, Vol.1より)

 

設問のポイント

いかがでしたでしょうか。ではポイントを振り返りましょう。

 Reading
決定・変更事項 – sculpture(彫刻)のコースが無くなる
理由その1 – 履修する学生の数が少なくなってきた
理由その2 – 彫刻を教えてきた先生が今年で定年となる。新しい先生を雇うのも無意味

Listening
女性の意見 – 反対(“I’m just upset about that article”)。彫刻のコースを続けるべきだ
女性の理由その1
– 芸術専攻の生徒にとって、他にpaintingやdrawingなどの必修のクラス
が多すぎるので、選択科目である彫刻に費やす時間がない。決して人気がないわけではない
女性の理由その2
– 非常勤の先生を雇えばいい。または、彫刻を第二の専門
としている先生に教えてもらえばいい

 

さてここで注意しておいていただきたいのが、Readingで出された2つのポイント(= 決定・変更の理由)のそれぞれに対して、Listeningにおいてはその順番通りに話し合っている、という点です。つまり、Readingの中に含まれているポイント2つをまず理解すれば、それに続くListeningのポイントも理解しやすくなる、ということなのです。

 

ユウマさんの1回目の提出と五十峰先生からのフィードバック

ユウマさんの音声(1回目)

 

これに対する私からのコメントです。

五十峰先生からの音声フィードバック

 

 <指導のポイント>

・解答時間
 既定の60秒を超えて録音している。60秒以内に残された内容だけカウントされる。

・音声面
 非常に聞きやすい。間合いが若干気になる。

・文法面
 細かなミスが多い

  • upset about / with
  • there is two reasons → there are two reasons
  • the professor was retired → the professor is retiring / will retire
  • too much courses → too many courses/classes

・内容面
 リーディングの内容に時間を使い過ぎないように。あくまでも女性の意見と理由がメイン。

 

ユウマさんは音声面に関しては非常にクリアでとても聞きやすいですね。その分、ミスを減らすこと、そして冒頭でもコメントした時間配分に気を付けることで、もっと伸びると思います。

 

ユウマさんの2回目の提出

ユウマさんの音声(2回目)

1回目のフィードバックで指摘された点は、全部修正されていましたね。時間配分もほぼ完ぺきです。全体として50秒で収められました(時間を無理して埋める必要は全くありません)し、音声面も全く問題ありません。

この調子で、ユウマさんには次回も別の課題に挑戦していただきます。

それではまた次回も引き続きSpeaking Integrated Taskを学習していきます。お楽しみに!

 


 

五十峰 聖先生 
桜美林大学 芸術文化学群 特任講師

ETS Authorized Propell® Facilitator
ETS TOEFL ITP® Teacher Development Workshop Facilitator

#五十峰聖先生

 

 


上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。


 

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Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test
各セクションは0~30のスコアで評価され、そのスコアに応じて4または5段階のレベルに分けられます。このレベルはTOEFL iBT®テストにおけるCEFR levelを反映しています。

toefl_speaking_rubrics

TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Speaking)
Speakingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT®test」と併せてご活用ください。
SpeakingはETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されており、Delivery(話し方)/Language Use(語彙の使い方)/Topic Development(トピックの展開)の大きく3つのポイントに分かれています。

TOEFL iBT Writing Section Scoring Guide TOEFL iBTテスト スコアガイド (Writing)

TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Writing)
Writingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test」と併せてご活用ください。
Writingに関してもETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されています。

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