第44回 レベル別・TOEFL iBT®テスト 4技能対策⑨ 上級Reading・高難易度の問題対策―その1―

第44回 レベル別・TOEFL iBT®テスト 4技能対策⑨ 上級Reading・高難易度の問題対策―その1―
※TOEFL iBT®テストは2019年にテスト内容の一部が変更となりました。現在のテストと異なる内容が含まれておりますが、基本的な考え方や学習方法に違いはないため掲載しています。詳細はこちらをご確認ください。

 

皆さんこんにちは。10月後半になり、だいぶ秋らしくなってきましたね。益々勉強モードになってきているかと思います。学生の人は中間試験などが終わり、少し中休みといったところでしょうか。この時期だからこそ是非ともTOEFL iBT® テストを申込んでみましょう。受験することで気がつく点もだいぶありますよ。そしてそこから勉強方法を修正するようにしましょう。さて今回はReadingについて勉強しましょう。人によって得意・不得意なスキルがあるのはもちろんですが、4セクション合計で上級(80点以上)を目指すには、やはり誰でもReadingセクションで20点以上を毎回確実に出すことが必須と言えます。今までの私が教えてきた経験上、日本での英語学習者はListeningとSpeaking(音声が必要となるセクション)のスコアで伸び悩む人が多いです。その分、音声が必要なく、繰り返し読み直せるReadingでスコアを稼ぐのは重要ですね。 

Readingに関する前回に続き、今回は上級Readingを扱っていきます。

 

初級(第35回 レベル別・TOEFL iBT®テスト4技能対策①「初級Reading対策・必須アカデミック語彙習得法」)・中級(第39回 レベル別・TOEFL iBT®テスト 4技能対策⑤ 「中級Readingに必要な3つのアプローチ」)では単語学習、本文の読み方、問題の解き方、そして時間配分と配点について学習しました。

 

では確実に20点を突破するために、最後の難関である難易度の高い問題の対策を学習しましょう。

 

高難易度問題① Sentence Insertion Questions(センテンス挿入問題)

これは設問に出される1センテンスを、本文中にある4つの選択箇所(   になっています)のどれか1か所に挿入する問題です(元々入っていた1センテンスが、問題作成者によって抜かれています)。挿入箇所は通常4つとも同じパラグラフ内に固まっていますので、それ以外の箇所を無理に読む必要はありません。
必要なステップとしては

  • a. 挿入文の分析:特に代名詞、転換語、時間表現、そして文脈のヒントなどに注意します。
  • b. 4つの   のうち、適切だと思われる箇所をクリック。パソコン画面上では、実際に挿入文がそこに挿入されます。
  • c. 挿入した文、その前と後ろのセンテンスの計3センテンスを読み通して、文脈の流れ、代名詞の一致などを確認します。

 

例題

以下のA, B, C, Dのどこに挿入すればよいでしょう?
挿入文: These people had a significant linguistic impact on the continent as well.

The diffusion of agriculture and later of iron was accompanied by a great movement of people who may have carried these innovations. These people probably originated in eastern Nigeria. A Their migration may have been set in motion by an increase in population caused by a movement of peoples fleeing the desiccation, or drying up, of the Sahara. B They spoke a language, proto-Bantu (“bantu” means “the people”), which is the parent tongue of a large number of Bantu languages still spoken throughout sub-Saharan Africa. Why and how these people spread out into central and southern Africa remains a mystery, but archaeologists believe that their iron weapons allowed them to conquer their hunting- gathering opponents, who still used stone implements. C Still, the process is uncertain, and peaceful migration – or simply rapid demographic growth – may have also caused the Bantu explosion. D

(TOEFL Quick Prep Vol.3)

<解答・解説>

まず挿入文の代名詞に注目します。

These people had a significant linguistic impact on the continent as well.

挿入文の前に「人々」が言及されていることがわかります。次に、内容的なキーワードに注目します。

These people had a significant linguistic impact on the continent as well.

ここでは「言語面での影響」、つまり言語に関する記述が後ろに続くことが考えられます。

「人々」だけに注目するとAでも良さそうですが、後ろに言語の記述がありません。そうするとBの後ろにlanguageとありますので、ここが適切ですね。よって正解はBでした。

 

 

高難易度問題② Sentence Simplification Questions(センテンス言い換え問題)

次の高難易度はsentence simplification(センテンス簡略化)と呼ばれていますが、実質は「センテンスの言い換え」です。4つの選択肢のうち、本文中の1センテンス(グレーでハイライトされています)を一番うまく言い換えているものを1つ選びます。
注意点としては

a. Sentence insertion問題同様、指定された範囲以外は読む必要がない
b. ハイライトされた文の中でessential(最重要)な情報は何か、を判断する
c. センテンスの構造(対比、順番など)にも注目する

という点です。

例題

この1文を上手く言い換えているのは次のうちどれでしょう?

ハイライト文:
Unlike in the Americas, where metallurgy was a very late and limited development, Africans had iron from a relatively early date, developing ingenious furnaces to produce the high heat needed for production and to control the amount of air that reached the carbon and iron ore necessary for making iron.

(TOEFL Quick Prep Vol.3)

a. While American iron makers developed the latest furnaces, African iron makers continued using earlier techniques.
b. Africans produced iron much earlier than Americans, inventing technologically sophisticated heating systems.
c. Iron making developed earlier in Africa than in the Americas because of the ready availability of carbon and iron ore.
d. Both Africa and the Americas developed the capacity for making iron early, but African metallurgy developed at a slower rate.

<解答・解説>

ハイライト文を、文の構造やある程度の意味ごとに分けるようにします。また転換語にも注目します。

 

1. Unlike in the Americas, where metallurgy was a very late and limited development,
2. Africans had iron from a relatively early date,

 

まずこの時点でアメリカ = 遅い限られている ⇔ アフリカ = 早い、という対比が見えます。

 

3. developing ingenious furnaces to produce the high heat needed for production and to control the amount of air that reached the carbon and iron ore necessary for making iron.

 

この文はアフリカの続きですね。ingeniousの単語の意味がわからなくても、「作って」「コントロールして」「鉄を作る」と繋がっているので、何となくポジティブなイメージと捉えればよいでしょう。2.とつなげて考えると、「アメリカと違い、アフリカでは早くから鉄を作る技術があった」程度に理解しておくと良いでしょう。あとは選択肢との比較です。

 

a. While America…latestでX(latest=「最新の」)。
 →これではアメリカが発展していたことになります。

b. fricans…earlyでO, sophisticatedでO。
 →アフリカが初期から発達していたとなりますので○です。

c. because of 以下でX。
 →アフリカの初期発達に関しては○ですが、その理由については本文では言及していません。

d. BothでX, African…slowerでX
 →両方とも初期から発達、ではありませんし、アフリカが遅いのもあっていません。

 

よって正解は(b)でした。

いかがでしたか?若干複雑な問題で難易度も上がっていますが、たくさん読む問題ではありません。限定された箇所をしっかりと読み取り、ロジックや文脈、そして選択肢の分析などによって正解することができます。最初のうちは時間がかかるかもしれませんが、繰り返し練習することで解答時間を速めていくように頑張りましょう。

それではまた次回も一緒に学習しましょう!

 

 


 

五十峰 聖先生 
桜美林大学 芸術文化学群 特任講師

ETS Authorized Propell® Facilitator
ETS TOEFL ITP® Teacher Development Workshop Facilitator

#五十峰聖先生

 


上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。


 

学習サポート・関連情報

★テスト受験までの8週間サポート★


初めてTOEFL iBT®テストを受験される方のうち、次の対象者には週1回✖️8週間 の受験支援メール配信とTOEFL iBT® Test Prep Plannerの無料配送を行っています。
対策塾などに通わず、独学で勉強されている皆さん、「TOEFL®テストの勉強は孤独・心配・不安…」と感じていませんか?
ETS Japanは、8週間サポートを通じて、学習計画の立て方や、勉強に必要な情報の探し方をお手伝いします。目標スコア獲得に向けて受験日まで一緒に進んでいきましょう!

 

★公式教材を利用して目標スコアを目指そう★


目標スコア別に公式教材を利用した学習法を教材ショップのスタッフがご提案。学習の目安や各教材ごとの学習方法など、ぜひ参考にしてください。

 

 

Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test
各セクションは0~30のスコアで評価され、そのスコアに応じて4または5段階のレベルに分けられます。このレベルはTOEFL iBT®テストにおけるCEFR levelを反映しています。

toefl_speaking_rubrics

TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Speaking)
Speakingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT®test」と併せてご活用ください。
SpeakingはETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されており、Delivery(話し方)/Language Use(語彙の使い方)/Topic Development(トピックの展開)の大きく3つのポイントに分かれています。

TOEFL iBT Writing Section Scoring Guide TOEFL iBTテスト スコアガイド (Writing)

TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Writing)
Writingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test」と併せてご活用ください。
Writingに関してもETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されています。

TOEFL iBT®テスト/自宅受験TOEFL iBT®テスト「TOEFL iBT® Home Edition」
英語圏の大学・機関だけでなく、世界の大学・機関で、公式スコアとして留学や就活などに活用されています。コンピュータ上で受験し、スピーキングは回答音声をマイクを通して録音、ライティングはタイピングで回答します。

自宅受験TOEFL® Essentialsテスト 
2021年から自宅受験型の新しいテストとしてリリースされました。約90分の試験時間、短い即答式タスクが特徴のアダプティブ方式の導入されています。公式スコアとして留学や就活などにご利用いただけます。

TOEFL ITP®テスト
TOEFL ITP®テストプログラムは、学校・企業等でご実施いただける団体向けTOEFL®テストプログラムです。団体の都合に合わせて試験日、会場の設定を行うことができます。全国500以上の団体、約22万人以上の方々にご利用いただいています。

TOEFL®テスト公式オンラインショップ 
TOEFLテスト日本事務局が運営するオンラインショップです。日本で唯一TOEFL iBTテスト公式オンライン模試を販売しています。

 

TOEFL iBT®テストオンライン模試 TOEFL iBT® Complete Practice Test
最新情報をチェックしよう!