第7回 Speaking対策 Task 3の注意点

第7回 Speaking対策 Task 3の注意点

 

皆さんこんにちは。夏も終わり、いよいよ新たなスタートという感じですね。学生の方は特に新しい学期の始まりで、新たに気を引き締めて頑張ろうと思っている人も多いのではないでしょうか。最近よく話題にあがる、日本の大学の9月入学制度について、皆さんはどう思いますか?私の場合、3月に日本で高校を卒業してから3か月バイトをして、お金を貯めてから6月にアメリカに渡りました。新学期は9月からだったのですが、早めに行ってキャンパスに慣れたり学校の施設を使いこなせるようになりたかったのと、あとやはり充分に英語に浸ってから新学期を迎えたいというのがあり、大学付属のESL学校に自主的に参加しました。そのせいもあり、9月になった時にはすでに我が物顔でキャンパスを偉そうに歩いていましたし(笑)、アメリカ人の友達も比較的早くできましたよ。日本の場合とはすぐには比べることはできないと思いますが、3月に卒業してすぐ慌しく入学するというよりは、多少はなんらかのクッションがあったほうがスムーズに大学生活に入れるのではと個人的に思います。

さて前置きが長くなりましたが、今回は一巡してSpeakingセクションの対策を一緒に学習しましょう。

今までにご紹介した対策1対策2においては、主にIndependent Taskについての注意点が中心でしたので、ここからはIntegrated Taskに焦点を当てていきましょう。今回はまずはTask 3から始めます。

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Task 3概要

Task 3からIntegrated Taskが始まります。つまりただ単に話す(アウトプット)だけでなく、Reading / Listening からの情報(インプット)も必要となります。概要は以下の通りです。

 

1. Reading (45秒または50秒)

約100語、1パラグラフ程度のキャンパス生活に関する記事、告知、または投書文を読みます。読む時間は45秒または50秒で、リーディングの量によって変化します。また読む時間が終了すると、画面が切り替わって自動的にリスニングに移ります。リーディングに戻ることはできません。

 

2. Listening(1-1.5分)

次に同じトピックに関する会話が流れます。長さとしては大体1分から1分半ほどです。通常は男性と女性の会話なので、どちらが何を言ったかわかりやすくなっています。会話の中では、リーディングで扱われた出来事や事項について二人が意見を交わします。

 

3. Speaking(60秒)

リスニングが終ると、画面に質問が表示され、「会話の中で出された男性もしくは女性の意見とその理由を要約しな さい」と指示が出ます。この後準備時間が30秒与えられ、その後録音が始まります。録音時間は60秒です。Task 1, 2のIndependent Tasksは45秒ですが、Task 3から6までのIntegrated Tasksはどれも録音時間は60秒なので覚えておきましょう。

 

それではいろいろ説明するよりも、まずはサンプル問題を体験していただいてから解説するようにしましょう。音声を聴いてメモをとる準備は良いですか?またできれば時計やタイマーなどで、準備時間なども指示通りに測ることをお勧めします。更にボイスレコーダーなど録音機器をお持ちの方は、是非ともご自分の解答を録音すると良いでしょう。それでは頑張ってください。

 

Directions:
You will now read a short passage and listen to a talk on the same topic. You will then be asked a question about them. After you hear the question, give yourself 30 seconds to prepare your response. Then record yourself speaking for 60 seconds.
(Source = TOEFL iBT® Quick Prep, Vol.3)

 

下記をクリックして問題の指示を聴いてください。*すぐに音声が始まりますのでご注意ください

 

Narrator:
City University plans to begin playing music over loudspeakers in the campus cafeterias. You will have 50 seconds to read an article from the campus newspaper about the plan. Begin reading now. Reading
Time: 50 seconds
Music Coming to Cafeterias
Mary Dixon, Director of the Student Life Committee, announced yesterday that beginning next semester, university cafeterias will broadcast classical music during mealtimes. “Music will foster a more relaxed atmosphere,” said Dixon. “Students’ lives are hectic, and mealtimes provide important opportunities to take a break and catch up with friends before moving on to the next class or assignment.” Added Dixon, “We’re also hoping that, if we provide the music, students will unplug their personal music devices—their Walkmans™ and MP3 players or whatever—and will spend more time talking to each other. When students have their headphones on, they’re not connecting with each other.”

 

50秒経過したら、下記をクリックしてリスニング音声を聴いてください。*すぐに音声が始まりますのでご注意ください

 

Narrator:
Now listen to two students discussing the university’s plan.

Question:

The man expresses his opinion of the university’s plan. State his opinion and explain the reasons he gives for holding that opinion.

Preparation Time: 30 seconds
Response Time: 60 seconds

 

さて各自で解答はできましたか?それではポイントをいくつか振り返りましょう。
まずReadingの方のポイントですが、Task 3においては大学での方針変更、告知、決定事項などが出題されます。今回はタイトルからもわかるように、

 

・来学期より食事中にクラシック音楽を流す

 

というものです。更に、なぜそのような決定に至ったのか、またはそれによってどのような影響があるのかについて述べることが多いです。そうすると今回は

 

・勉強に疲れている学生達にとって、クラシック音楽を流すことでリラックスさせる効果がある
・個人の携帯音楽プレーヤーを外し、もっとお互いに話す機会を作る

 

というのが理由や狙いといえますね。まとめますと、1.変更や決定事項が1つ、2.その理由や影響を2つを45秒または50秒以内に読み取らなくてはなりません。
続いてリスニングです。各自で下記をクリックしてトランスクリプトをご確認ください。

 

トランスクリプト(PDF:488KB)
詳細はこちら

 

今回は設問にもあったように、男性の意見に注目します。すると、
“Are they serious?”(冗談だろ?)⇒信じられない、良いとは思わない
が冒頭でわかりますね。さらにその後の展開では、そう思う理由が2つ述べられています。

 

1. ランチタイムはリラックスする時間じゃない。多くの学生が勉強したい。
2. ほとんどの学生はクラシック音楽を聴かない。携帯音楽プレーヤーを外すどころか、むしろもっと聴く。

 

となっています。まとめますと、1.自分の意見の表明と2.その理由2つを聞き取って理解しなくてはなりません。

 

さて最後に解答する際の注意点を1つだけ教えておきましょう。それは、この問題指示に、“Explain the reading”とは書いていないことに注目してください。多くの人は、“The reading says that…” “According to the reading,…”とReadingの説明に時間を多く割いていました。それ自体ではもちろん減点にはならないのですが、問題で要求されていないわけですから特にポイントにもなりません。しかし、Readingの説明に時間を費やしすぎることで、肝心のListeningに使う時間が足りなくなってしまう、つまり解答に必要な情報を説明しきれていないことによる減点はあります。スコアに伸び悩んでいる人の多くはこのミスを犯しているといえます。

 

参考までに簡単な解答例をあげておきますので、よかったら音読などを繰り返してみてください。

“The man does not believe that the university’s decision to play music during lunch hours is a good idea. He says that the first reason given for playing the music, that music will help students relax during meals, isn’t valid. He believes that students actually want to study during meals, not relax. Furthermore, the man doesn’t think that the students will unplug their personal music devices and spend time talking to each other as the university hopes. In his opinion, students don’t like classical music and so they will keep listening to their own personal music devices anyway.”

 

おわかりでしょうか?あくまでも設問で要求されているように、男性の意見をまとめる形に徹しています。しかしその中で、Readingの中で出されていた主張(クラシック音楽でリラックスできる、音楽プレーヤーを外す)などについて議論することで、Readingの情報とListeningの情報をintegrate(統合する)できるわけです。

 

いかがでしたか?是非とも復習してください。さて今回はこれくらいにしましょう。次回はWriting対策を扱います。お楽しみに!

 

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五十峰 聖先生 
桜美林大学 芸術文化学群 特任講師

ETS Authorized Propell® Facilitator
ETS TOEFL ITP® Teacher Development Workshop Facilitator

#五十峰聖先生

 


上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。


 

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各セクションは0~30のスコアで評価され、そのスコアに応じて4または5段階のレベルに分けられます。このレベルはTOEFL iBT®テストにおけるCEFR levelを反映しています。

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TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Speaking)
Speakingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT®test」と併せてご活用ください。
SpeakingはETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されており、Delivery(話し方)/Language Use(語彙の使い方)/Topic Development(トピックの展開)の大きく3つのポイントに分かれています。

TOEFL iBT Writing Section Scoring Guide TOEFL iBTテスト スコアガイド (Writing)

TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Writing)
Writingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test」と併せてご活用ください。
Writingに関してもETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されています。

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