皆さんこんにちは。まだ夏休み中の方もいれば、すでに新学期を迎えている方もいるでしょう。私は8月中に休みを取ってイギリスに滞在していました。アメリカ文化・英語にどっぷりと浸かっていた私にとって、イギリスはとても新鮮に感じられました。美味しくないと聞いていた食事も思いの外美味しかったですしね(笑)。
さて今回も、Speaking Integrated Task 3の問題演習を続けていきましょう。
前回は、学習者のユウマさん(20代男性、大学生)にTask 3の最初の課題に挑戦していただきました。
Task 3においては音声・文法・語彙面においての注意点だけでなく、Readingからの情報とListeningからの詳細のバランスが重要になってきますね。それゆえ、ユウマさんの課題であった時間配分も気を付けなくてはなりません。
今月もTask3を扱いますが、違うトピックに挑戦してもらいました。またユウマさんに加えて、新しい学習者リンカさん(20代女性、大学生)にも参加していただきます。
学習者のご紹介
リンカさん
現在の英語力
TOEFL ITP®テスト537点、TOEIC®テストは700点、TOEFL iBT®テスト:未受験
TOEFL iBT®テストを受験する理由
大学の交換留学のため、半年後までにTOEFL iBT®テストで80点を目標にしている。また将来は英語教師になりたいと考えているため、自分の4技能を高めたい。
今までのSpeakingの学習状況はどうか
授業以外で週2回、外国の方と話す機会があるため日常会話は問題ないが、英語でのスピーチやプレゼンはどうしても原稿を暗記しがちになってしまう(とっさに考えて話すことが苦手)。全般的にSpeaking には苦手意識がある。
TOEFL iBT®テストの学習で困っている点や悩んでいる点
Writingの復習方法がわからない。一人で見直しするにはどのような方法があるか。またListening対策としてShadowingを行っているが、効果があまりないように感じる。
TOEFL ITP®テストのスコアはある程度出ていますが、TOEFL iBT®テスト、とりわけSpeakingとWritingに関して対策が必要なようですね。ちなみにWritingの注意点や復習方法については、TOEFL® Web MagazineでWriting講座を担当している横川先生の連載(ETS公認トレーナーと勉強しよう!TOEFL iBT®テストWeb準備講座)を参照してみてください。役に立つ情報が満載ですよ!
それからListening対策としてのShadowingについてですが、Shadowingはあくまでも毎日維持する基礎体力、いわば腹筋運動みたいなもので、それだけでリスニング力の向上を感じることは難しいでしょう。できればShadowing以外のメニューと組み合わせて、何かしらアクティブに音声を取り込む練習を継続する事が重要です。
Integrated Task 3 – 問題
今回の問題を見ていきましょう。皆さんも本試験のように時間を測って、是非トライしてみてください。
Directions
The Northfield College Student Association recently decided to make a new purchase. Read the following announcement in the college newspaper about the decision. You have 45 seconds to read the article.
Reading Time: 45 seconds
Good News for Movie Fans
University administrators announced yesterday that the sculpture program, a division of the art department, will be eliminated. “The main reason is a lack of student interest,” reported one administrator. “Although the number of art students has increased, fewer and fewer art majors are taking sculpture classes.” Furthermore, the department’s only sculpture professor is retiring this year. “Given the art department’s limited budget,” the administrator explained, “it just doesn’t make sense to hire a new full-time professor to teach sculpture for only a handful of students.”
Now listen to two students discussing the article.
Question:
The man expresses his opinion of the Student Association’s recent purchase. State his opinion and explain the reasons he gives for holding that opinion.
Preparation Time: 30 seconds
Response Time: 60 seconds
(ETS Sample Questionsより)
設問のポイント
いかがでしたでしょうか。ではポイントを振り返りましょう。
Reading
決定・変更事項 – キャンパスの映画館に新しいサウンドシステムを購入・導入した。
理由その1 – それによって映画チケットの売り上げを期待できる。
理由その2 – 意見調査の結果、学生にとって映画が一番の娯楽であることが判った。
Listening
男性の意見 – 反対(“a bad decision”)。お金の無駄だ(“just a waste of money”)。
男性の理由その1
– 映画館が古いので、音響が酷い。新しいサウンドシステムを導入しても意味がない。
男性の理由その2
– 映画は学生にとっての一番の娯楽ではない。学内で他にやることがないから映画を選んだだけだ。
リスニングが始まる前には、男性か女性かどちらが意見を言うか判りません。しかし今回の会話のように、冒頭に近いあたりでハッキリと賛成・反対がわかり易く表現されています。Speakingの際には、会話の中で使われた表現(“a bad decision” “just a waste of money”)をそのまま使っても問題ありません。より高得点を目指す人は、自分の言葉で言い換える努力をしましょう。
ユウマさんの提出と五十峰先生からのフィードバック
ユウマさんの音声(1回目)
これに対する私からのコメントです。
五十峰先生からの音声フィードバック
指導のポイント
・文法面
acoustic / gymnasium / doubt
it has built → it was built
・内容面
触れている点は問題ないが、説明不足。理由を説明するだけにとどまらず、その先にもう少し説明を加えるともっと内容が充実して厚みがでる。
だいぶ完成度は高いので、あとは細かい表現の修正と、説明を加えることで更なるスコアアップが期待できます。もう少しです!
リンカさんの提出と五十峰先生からのフィードバック
リンカさんの音声
これに対する私からのコメントです。
指導のポイント
・音声面
→発音自体は問題ないが、間が空き過ぎないように気を付ける。
・文法面→ 細かなミスが多い。
・disagree with 名詞の形にする
・単現のs(“He doesn’t believes…”)
・otherの後ろは複数形にする
・内容面
会話の情報、特に1つ目と2つ目の理由の内容が正しくない。
SpeakingにおいてもListening力は必要ですよね。会話からの情報取得が間違っていると、どんなに上手に話しても点数は伸びませんので、話すと同様に聞くスキルも引き続き向上させましょう。
それではまた次回も引き続きSpeaking Integrated Taskを学習していきます。お楽しみに!
五十峰 聖先生
桜美林大学 芸術文化学群 特任講師
ETS Authorized Propell® Facilitator
ETS TOEFL ITP® Teacher Development Workshop Facilitator
上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。
学習サポート・関連情報
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初めてTOEFL iBT®テストを受験される方のうち、次の対象者には週1回✖️8週間 の受験支援メール配信とTOEFL iBT® Test Prep Plannerの無料配送を行っています。
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Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test
各セクションは0~30のスコアで評価され、そのスコアに応じて4または5段階のレベルに分けられます。このレベルはTOEFL iBT®テストにおけるCEFR levelを反映しています。
TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Speaking)
Speakingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT®test」と併せてご活用ください。
SpeakingはETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されており、Delivery(話し方)/Language Use(語彙の使い方)/Topic Development(トピックの展開)の大きく3つのポイントに分かれています。
TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Writing)
Writingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test」と併せてご活用ください。
Writingに関してもETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されています。
英語圏に限らず、世界の大学・大学院、その他機関で活用されています。また日本国内でも大学/大学院入試、単位認定、教員・公務員試験、国際機関の採用、自己研鑽、レベルチェック、生涯学習など活用の場は広がっています。
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