皆さんこんにちは。2017年になりました。昨年に引き続き、今年もTOEFL® Web Magazineをよろしくお願いします。さて新年最初の連載はSpeakingです。今までの復習の意味でも、そしてこれからの目標としても、ぜひとも頑張ってください。
今まで扱ったレベル別Speaking対策においては、Independent Tasks(Task 1 & 2)とIntegrated Tasks(キャンパストピック、Task 3 & 5)において中級レベルのスコアを意識してきました。中級レベルというのは言い換えると “Fair”の評価を意味し、各タスクにおいて4点満点中2.5 – 3.0の範囲に相当します。トータルスコアではSpeakingセクション30のうち18 – 25程度の範囲にあたります。
今回目指すのは上級Speakingで、評価では “Good”を意味し、スコアでは各タスク4点満点中3.5 – 4.0にあたります。またトータルスコアで見ると26 – 30も可能なレベルとなってきます。ではそのためには何が必要なのか、以下で学習していきましょう。
上級Speaking攻略法①:キャンパストピック添削指導(上級編)
さて前回ではTask 3 & 5の対策として、実際の中級レベル学習者のサンプル解答と、それに対する私の添削指導を見ていただきました。
上級編の今回は、この同じ題材を使って、上級者のサンプル解答を見ていきましょう。今回は1名の上級レベル学習者にご協力いただきました。
学習者のご紹介
タカシさん
現在の英語力
10年以上前にワーキングホリデーで、カナダのトロントに1年間滞在していた。現在は仕事で英語を使う以外、特に対策はしていない。
TOEFL iBTテストを受験する理由
英語力測定のため。
目標スコア
TOEFL iBTテスト 100~120
※本コーナーでは、読者の方への目安として、初級(大学入試程度を想定)・中級(交換留学程度を想定)・上級(正規留学程度を想定)で対象者を分けておりますが、あくまで目安として参考にしてください。
学習者の提出と五十峰先生からのフィードバック
タカシさんの提出
五十峰先生からの音声フィードバック
コメントした通り
- ・若干のためらい・詰まりなどはあるものの、音声面では全体的に聞き取りやすい
- ・Listeningの情報を、理由2点までしっかりと含めている
という点が高評価の対象となります。改善点としては
- ・ワードチョイスをより適切に
- ・Readingからの情報を足す
などが挙げられます。これらを改善すれば、更なるスコアアップが期待できます。引き続き頑張ってください。
上級Speaking攻略法②:Task 4の特徴・形式を理解する
さてここからは、アカデミックトピックを扱うTask 4と6に焦点を当てていきます。
まずTask 4ですが、Reading → Listening → Speakingと作業が多いので、混乱しないように出題形式と特徴をおさえておく必要があります。それに関しては以前の連載『第32回 TOEFL iBT®テスト Speaking対策 公開添削指導⑨ Integrated Task 4』のTopic: アカデミックトピックで再確認してみてください(問題演習もありますので、余裕のある方はぜひトライしてみてください)。
上級Speaking攻略法③:Task 6の特徴・形式を理解する
続いてはTask 6です。このタスクはListening → Speakingという非常にシンプルな手順のみですが、以下の注意点が必要です
Task 6 – Listening注意点
・1 – 1.5分のアカデミックレクチャーを聞く
・その際、メインとなる概念や事象が何なのか(つまり何についての話か)
・通常1つの概念・事象に対して2つの具体例や方法、要因などが来るようになっている
・その2つの具体例を、できるだけ詳細にノートテイキングを行う
例:Main idea: 商品の販売戦略を練るのに、2つの要因を考慮しなくてはならない
#1:年齢層 (+ 具体例)
#2:地理 (+ 具体例)
Task 6 – Speaking注意点
・準備時間は20秒
・レクチャーを要約する。話せる時間は60秒
・その際、メインアイディアと2つの具体例を必ず含める
・時間配分に注意。時間内に確実に2つ目の具体例まで言及できないと減点となる
上級Speaking攻略法④:Task6 問題演習
それでは最後にTask 6を実際に体験していただきましょう。ノートテイキングの準備は大丈夫でしょうか?
Listen to part of a lecture in a business class.
Preparation Time:20 seconds
Response Time:60 seconds
( TOEFL iBT® Quick Prepより)
いかがでしたか?それではポイントを整理していきましょう。
メインアイディア: Product quality consists of 1) reliability and 2) features.
具体例1: reliability (信頼性)
- ・the absence of any defects or problems(欠陥がないこと)
- ・以前→ people thought mainly about reliability
- ・今日→ products are reliable in general
- ・例: cars
具体例2: features(特徴、オプション)
- ・People need additional factor in considering products(信頼性があがってきたので、それ以外のものが必要になってきた)
- ・People today focus on features
- ・Featuresとは: extra things a product has
- ・例: electric windows, sun roofs, air conditioning, stereos
設問ではこれら2つの要素が「いかに消費者の購入意思において変化してきたか」と問われているので、
- ・以前は商品のreliabilityをメインに考えていた
- ・最近では、商品のクオリティが上がってきたのでreliabilityは当たり前。それ以外のfeaturesが購入の決め手となってきた
というIn the past… vs. Today….という時間の対比に言及して、話を組み立てると綺麗に収まります。
トランスクリプト(PDF:488KB)
詳細はこちら
それではお疲れ様でした。次回は上級Writing対策です。お楽しみに!
五十峰 聖先生
桜美林大学 芸術文化学群 特任講師
ETS Authorized Propell® Facilitator
ETS TOEFL ITP® Teacher Development Workshop Facilitator
上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。
学習サポート・関連情報
★テスト受験までの8週間サポート★
初めてTOEFL iBT®テストを受験される方のうち、次の対象者には週1回✖️8週間 の受験支援メール配信とTOEFL iBT® Test Prep Plannerの無料配送を行っています。
対策塾などに通わず、独学で勉強されている皆さん、「TOEFL®テストの勉強は孤独・心配・不安…」と感じていませんか?
ETS Japanは、8週間サポートを通じて、学習計画の立て方や、勉強に必要な情報の探し方をお手伝いします。目標スコア獲得に向けて受験日まで一緒に進んでいきましょう!
★公式教材を利用して目標スコアを目指そう★
目標スコア別に公式教材を利用した学習法を教材ショップのスタッフがご提案。学習の目安や各教材ごとの学習方法など、ぜひ参考にしてください。
Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test
各セクションは0~30のスコアで評価され、そのスコアに応じて4または5段階のレベルに分けられます。このレベルはTOEFL iBT®テストにおけるCEFR levelを反映しています。
TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Speaking)
Speakingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT®test」と併せてご活用ください。
SpeakingはETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されており、Delivery(話し方)/Language Use(語彙の使い方)/Topic Development(トピックの展開)の大きく3つのポイントに分かれています。
TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Writing)
Writingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test」と併せてご活用ください。
Writingに関してもETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されています。
英語圏に限らず、世界の大学・大学院、その他機関で活用されています。また日本国内でも大学/大学院入試、単位認定、教員・公務員試験、国際機関の採用、自己研鑽、レベルチェック、生涯学習など活用の場は広がっています。
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TOEFL ITP®テストプログラムは、学校・企業等でご実施いただける団体向けTOEFL®テストプログラムです。団体の都合に合わせて試験日、会場の設定を行うことができます。全国500以上の団体、約22万人以上の方々にご利用いただいています。