第46回 レベル別・TOEFL iBT®テスト 4技能対策⑪「上級Listening・レクチャー攻略法」

第46回 レベル別・TOEFL iBT®テスト 4技能対策⑪「上級Listening・レクチャー攻略法」
※TOEFL iBT®テストは2019年にテスト内容の一部が変更となりました。現在のテストと異なる内容が含まれておりますが、基本的な考え方や学習方法に違いはないため掲載しています。詳細はこちらをご確認ください。

 

皆さんこんにちは。年末になりましたね。日本ではメリークリスマス、そして「良いお年を」などと言いますが、アメリカではクリスマスと新年の挨拶をまとめて、またキリスト教以外の宗教の人も考慮して単に “Happy holidays!”ということが多いですね。
さて今年最後の連載はListeningで締めましょう。前回(第40回 レベル別・TOEFL iBT®テスト 4技能対策⑥「中級Listeningに必要な4つのアプローチ」)の中級Listening対策に続いて、上級Listening対策を考えていきましょう。

 

日本で英語を学んだ多くの人が、Listeningスコアの伸び悩みで苦しんでいるようです。中級までである程度conversationにおいては対策ができるようになってきたという方に、最後のレクチャー(講義)形式の問題に対する注意点を勉強していきましょう。

 

本試験のListeningセクションにおいては、4~6つのアカデミックレクチャー・ディスカッションが出題されます。いずれも実際の大学の授業が行われている、というような設定で進められます。

 

レクチャー対策① Organization – 構成

Listeningで高得点を出せる人の特徴の一つとして、「講義全体の構成が把握できている」という点が挙げられます。
ではどうしてそのようなことができるかというと、

 

  • a. イントロダクションの早い段階で、講義の本題を把握できている
  • b. 詳細な情報に集中することだけに捉われていない
  • c. 転換語をよく聞きとり、話の展開を予測できている
  • d. 聞き終わった時点で、教授のトーン(態度)、ユニークだった点、主要な例、などが整理されている

 

などができているからだと思われます。特にノートテイキングに必死になり過ぎると、b)のように細かい情報だけはたくさん書き記しているものの、それらの情報にどのような役割があるのか、などを見失う恐れもありますので注意しましょう。
対策としては、

 

  • ・Readingのパッセージ(本文)全体を俯瞰図で眺めているようなイメージで聞く
  • ・多少細かい情報が抜けたとしても焦らない
  • ・聞き終わってから即座に問題を解こうとせず、手元のノートを振り返り、主題と大まかな流れを振り返る
  • ・普段からノートテイキングを減らし、途中で音声を止めながら口頭でそこまでの要約を話してみる(Speaking Integrated Tasksの練習にもなる)

 

などが挙げられます。
また以前の連載で、脱線などのレクチャーのorganization・展開について触れていますので、是非ともこちら(第10回 TOEFL iBT®テストListening対策 No.3 Listeningレクチャー対策)を読んでみてください。

 

最終的に「今のレクチャーはどのように話が展開され、結局一番言いたかったことは何なのか?」が頭の中に明確に浮かんでいれば大丈夫です。

 

レクチャー対策② Unique points – ヒネリ

レクチャーの中で重要なところは、ただ教授が淡々と説明するだけではありません。「なるべく学生に興味を持ってもらおう」「しっかりと覚えておいてもらおう」と工夫してくれるのです。それがユニークな部分、またはヒネリとして講義の中で出てきます。

このヒネリに関しては、以前の連載(第26回 TOEFL iBT®テストListening対策 No.7レクチャーの「ヒネリ」について)で触れていますので、読んだことがない方は是非とも参照してください。

 

 

レクチャー対策③ Replay Questions – 再度聞く問題

このReplay Questions (= Listen Again Questions)も高得点取得には欠かせません。一つのレクチャー・ディスカッションにおいて1~2題は出題されますので、そこで点を落としているようではスコアは伸びません。

この問題タイプの攻略法に関しては、以前の連載で例題も交えて説明してありますので、以下を参照してください。

 

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この問題を解くのに必要な個所は再度流れるので、1回目にレクチャーを聞く時に特に注意している必要はないのですが、上級者ともなると「あ、この部分は後でReplay Questionとして出題されるな!」と気が付くのです。つまりそれだけ教授(話者)のトーン、感情、独特の言い回しが目立っているところに注意しているからなのです。上記対策②のヒネリ同様、普段から気を付けて聞く練習を行ってください。

 

 

レクチャー対策④ Academic vocabulary – ボキャブラリ習得

どんなにたくさん聞く練習を繰り返したところで、知らない単語が多ければ理解度が上がりません。音声練習と並行して、より高度なアカデミックボキャブラリを習得しましょう。

勉強方法としては:

・市販のTOEFL iBT®テスト単語集(4000 – 5000単語が最低限の目安)
TOEFL iBT®テスト公式教材の題材(解いた問題の単語を整理する単語ノートを作る)
・オンライン講義(自分でトピックを選んで講義を聞き、スクリプトを読み、わからない単語を抜き出して調べる)

 

などが挙げられます。いずれにしても、単語を文字だけで覚えるのではなく、音声を聞きながら、目と口を使いながら覚えるように習慣づけましょう。

それでは今回はここまでです。次回にお会いしましょう。

今年一年もご愛読ありがとうございました。また来年もよろしくお願い致します。 Happy Holidays!

 

 


 

五十峰 聖先生 
桜美林大学 芸術文化学群 特任講師

ETS Authorized Propell® Facilitator
ETS TOEFL ITP® Teacher Development Workshop Facilitator

#五十峰聖先生

 

 


上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。


 

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各セクションは0~30のスコアで評価され、そのスコアに応じて4または5段階のレベルに分けられます。このレベルはTOEFL iBT®テストにおけるCEFR levelを反映しています。

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TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Speaking)
Speakingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT®test」と併せてご活用ください。
SpeakingはETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されており、Delivery(話し方)/Language Use(語彙の使い方)/Topic Development(トピックの展開)の大きく3つのポイントに分かれています。

TOEFL iBT Writing Section Scoring Guide TOEFL iBTテスト スコアガイド (Writing)

TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Writing)
Writingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test」と併せてご活用ください。
Writingに関してもETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されています。

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