第9回 PHRASE List(Martinez & Schmitt, 2015)


これまでは語彙リストを中心に紹介してきましたが、2語以上から成る高頻出表現をリスト化したものがPHRASE Listになります。こちらのリストも前回紹介したPHaVE Listと同様Norbert Schmitt教授のWebサイトからダウンロードができます。

 

 

複数の語で構成される表現は句動詞やイディオム、コロケーションなど多数ありますが、その中で個々の単語から理解をしようとすると支障をもたらすものを中心にPHRASE Listは構成されています。例えば、takeとplaceの意味をそれぞれ知っていたとしてもtake placeの意味をつかむのは難しいと思います。PHRASE Listはこのような複数語から成るフレーズを505含んでいます

このリストの活用法として、(1)知らないフレーズの確認・学習、(2)書き言葉と話し言葉の区別があります。TOEFL®テストもそうですが、留学してから話し言葉と書き言葉の両面で自分の考えを表現する必要があります。そのような際に、話し言葉と書き言葉を適切に区別する必要があるのですが、この区別ができていない方も少なくないと思います。例えば、kind ofというフレーズですが、話し言葉と書き言葉のどちらで多く使われるでしょうか?kind ofは話し言葉で多く用いられます。このような書き言葉と話し言葉の区別にもこのリストを活用してほしいと思います。

次に、本リストの見方になりますが、下記表にあるようにSpoken General(SG), Written General(WG), Written Academic(WA)の3つのジャンルにおける頻度が書かれています。各ジャンルのボックスに、xが付されています。例えばas a resultSGではが1つ、WGでは2つ、WAではが3つありますので、一般的な話し言葉よりも一般的な書き言葉で好まれ、更にアカデミックな書き言葉で最も使われることが分かります***が2つ以上のボックスで見られる場合は、どちらにおいても高頻度で使われていることを示します (e.g., for instance)。xがある場合は、ほとんどこのジャンルでは使われない、あるいは全く使われないという意味です(e.g., subject to)。

 

Spoken GeneralWritten GeneralWritten Academic
as a result*****
for instance******
subject tox***

 

受験勉強などでno more than = only、with regard to = aboutなどのような学習をされた方が書き言葉と話し言葉の区別を学ぶのにこのリストは有効かと思います。最後に、このリストの欠点としてサンプルが1990年代初期のイギリス英語に強く依存しますので現代のアメリカ英語とは頻度情報が異なる場合があります。上記欠点を理解した上で、このリストを有効活用してほしいと思います。

次回をお楽しみに!

 

【引用文献】
Martinez, R., & Schmitt, N. (2012). A phrasal expressions list. Applied Linguistics33(3), 299-320.

 

金子雅也先生

金子雅也先生
東洋大学 総合情報学部総合情報学科 助教

ETS TOEFL ITP® Teacher Development Workshop Facilitator

#金子雅也先生

 

 


上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。


 

学習サポート・関連情報

★テスト受験までの8週間サポート★


初めてTOEFL iBT®テストを受験される方のうち、次の対象者には週1回✖️8週間 の受験支援メール配信とTOEFL iBT® Test Prep Plannerの無料配送を行っています。
対策塾などに通わず、独学で勉強されている皆さん、「TOEFL®テストの勉強は孤独・心配・不安…」と感じていませんか?
ETS Japanは、8週間サポートを通じて、学習計画の立て方や、勉強に必要な情報の探し方をお手伝いします。目標スコア獲得に向けて受験日まで一緒に進んでいきましょう!

 

★公式教材を利用して目標スコアを目指そう★


目標スコア別に公式教材を利用した学習法を教材ショップのスタッフがご提案。学習の目安や各教材ごとの学習方法など、ぜひ参考にしてください。

 

 

Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test
各セクションは0~30のスコアで評価され、そのスコアに応じて4または5段階のレベルに分けられます。このレベルはTOEFL iBT®テストにおけるCEFR levelを反映しています。

toefl_speaking_rubrics

TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Speaking)
Speakingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT®test」と併せてご活用ください。
SpeakingはETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されており、Delivery(話し方)/Language Use(語彙の使い方)/Topic Development(トピックの展開)の大きく3つのポイントに分かれています。

TOEFL iBT Writing Section Scoring Guide TOEFL iBTテスト スコアガイド (Writing)

TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Writing)
Writingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test」と併せてご活用ください。
Writingに関してもETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されています。

TOEFL iBT®テスト/自宅受験TOEFL iBT®テスト「TOEFL iBT® Home Edition」
英語圏の大学・機関だけでなく、世界の大学・機関で、公式スコアとして留学や就活などに活用されています。コンピュータ上で受験し、スピーキングは回答音声をマイクを通して録音、ライティングはタイピングで回答します。

自宅受験TOEFL® Essentialsテスト 
2021年から自宅受験型の新しいテストとしてリリースされました。約90分の試験時間、短い即答式タスクが特徴のアダプティブ方式の導入されています。公式スコアとして留学や就活などにご利用いただけます。

TOEFL ITP®テスト
TOEFL ITP®テストプログラムは、学校・企業等でご実施いただける団体向けTOEFL®テストプログラムです。団体の都合に合わせて試験日、会場の設定を行うことができます。全国500以上の団体、約22万人以上の方々にご利用いただいています。

TOEFL®テスト公式オンラインショップ 
TOEFLテスト日本事務局が運営するオンラインショップです。日本で唯一TOEFL iBTテスト公式オンライン模試を販売しています。

 

TOEFL iBT®テストオンライン模試 TOEFL iBT® Complete Practice Test
最新情報をチェックしよう!