第19回 授業での実践事例 | 山梨学院大学 川上澄江先生

 

山梨学院大iCLA学部の全員留学制度におけるTOEFL®テストの位置付け

 

 目次
 国際リベラルアーツ部の全員留学制度とTOEFL®テスト
 TOEFL iBT®テストに特化したTesting Practice
 TOEFL ITP®テストからTOEFL iBT®テストへ

 

国際リベラルアーツ部の全員留学制度とTOEFL®テスト

山梨学院大学では「国際社会で活躍できる人材育成」をモットーにグローバル化を加速させており、その最前線をいく国際リベラルアーツ学部(iCLA)では留学生と学部生が寮で共同生活を送り、原則すべての日本人学生に海外協定校への留学が義務付けられています。そのため授業も含め共通語が英語というイマージョン教育が徹底されています。とはいえ、現実問題として入学時に全ての学生が「完璧な英語力」を備えているわけではありませんから、必要に応じてEAEという語学強化プログラムを受ける仕組みとなっています。EAEプログラムでは4技能の他に、TOEFL®テストに特化したTesting Practiceの授業があり、それぞれ10人ほどの少人数制度で学びます。
TOEFL®テストは留学に不可欠なだけでなく、学部内の進級の目安にもなっているため、EAEでは一学期で最低3回のTOEFL®テスト受験(TOEFL ITP®テストTOEFL iBT®テストプラクティス)がカリキュラムに組み込まれています。特に4技能を総合的に評価してくれるTOEFL iBT®テストは学修の要ともいえます。

 

TOEFL iBT®テストに特化したTesting Practice

私の教えているTesting PracticeはTOEFL iBT®テストに特化したコースで、週2回(75分)の授業では、受験内容を一番実践的に学べる『The Official Guide to the TOEFL® Test』のオンラインバーションを教材に使用しています。

(1)Reading Section

各自がパッセージを読み問題を解いた後、全員でvocabularyや文法の確認をしながら、解答を検証します。TOEFL iBTテストのパッセージは長く、内容もアカデミックで広範囲にわたるため、TOEFLテスト初心者には難易度が高いと思われがちですが、vocabularyが広がっていくと専門知識がなくても無理なく読める構成になっています。このため、必要に応じて語彙の小テストを入れながら、学期が終わる頃には各パッセージ(約700ワード)を18分のペースで読解できるようにスピードアップしていきます。また、パラグラフごとにトピックセンテンスを読み解いていくことで、Writingの力も培っていきます。

(2)Listening Section

同様に各自で問題を解いてから、全員でスクリプトを見て内容を確認していきます。時間が許す限り、学生にも会話のスクリプトを音声ファイルに重ねて音読をさせた上、シャドーイングも実施します。スピードとListening力を自然に向上させるのが目的です。こうして練習を積むことがSpeakingにも活かされてきます。

(3)Speaking Section

まずは何があっても決められた時間話し続けられる度胸(!)と発話力を身に付けます。特にIndependent Taskでは15秒間で考えて、45秒間で話さなければなりません。面接官と話す対面式と違い、マイクに向かって話すことに慣れていないと、あっという間に時間が経ってしまいます。授業では一度目のテイクを録音してもらいます。宿題にする場合は、本人が納得するまでリテイクを繰り返し、完全なものに仕上げてから録音を送ってもらうようにしています。

(4)Writing Section

文法や語彙力、構文の組み立てはもちろんのこと、論理的な思考能力も必要不可欠です。国際リベラルアーツ学部では日本人以外の学生も一緒に英語を学んでいますが、日本人の学生は自分の意見を構成して、AgreeかDisagreeのポジションを取る(意見を形成する)ことを苦手とする場合が多いものです。限られた時間の中で、1)Introduction、2)Supporting Idea(A)、3)Supporting Idea(B)、4)Conclusion(余裕があれば3と4の間にrebuttal(反駁)を入れる)という基本の形を時間内に組み立て、展開していけるよう、練習を重ねます。

 

 

TOEFL ITP®テストからTOEFL iBT®テストへ

私はそもそも英文で記事を書くジャーナリスト、そしてテレビニュースの和文英訳をしていたので、コンピューターに向かって話したり、確固とした論理に基づいたアカデミックなエッセイを書いたりするTOEFL iBT®テストに苦手意識がありました。そこで、受講したのがTOEFL iBT®テストPropell® Workshopです。自分ではRubricsを見てもよく分からなかったのですが、ワークショップで項目ごとに丁寧に説明していただいたおかげで、何を求められているのかが明確になりました。今後は、教本にある模範解答を学生にシェアして、どこが優れているか、どうすればもっと良くなるか討議する時間もとっていきたいと思っています。

 

 

 

山梨学院大学 国際リベラルアーツ学部iCLA
川上澄江先生

上智大学外国語学部卒業。ブリティッシュコロンビア大学院、政治学部修士課程修了。毎日新聞社記者を経て、外国メディアの英文記者、テレビ局のニュース翻訳者を経て、現在、山梨学院大学国際リベラルアーツ学部iCLAの特任講師として、EAE(英語強化プログラム)やリベラルアーツ入門の授業を担当している。不仲の母を介護し看取って気づいた人生でいちばん大切なこと(マキノ出版)など著書、出版物多数。

山梨学院大学 国際リベラルアーツ学部iCLA

人文教養、社会科学、数理的推理、自然科学に加え、芸術も英語で学べる分野横断型カリキュラム。世界各地から集まった多彩な教員が、1クラス最大20名程度の少人数クラスで展開。国際寮では留学生と共同生活を送ることで、英語が日常会話となるだけでなく、他国の文化を理解し、自国の文化を説明する力がつき、国内にいながら「留学体験」ができるのが特色。iCLAは海外60校以上の大学と提携を結び、学費の負担をかけずに留学できる交換制度を取り入れており、2年次以降に留学をすることが必須となっている。
URL:https://www.icla.jp/

TOEFL iBT®テストPropell® ワークショップ
TOEFL®テスト主催団体ETSとETS Japanが共同で毎年開催している英語教員対象のワークショップです。TOEFL iBT®テストにおける問題のねらい、採点基準や指導法等について理解いただき、今後の指導に役立てていただくことを主な目的としています。

 

 

 


上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。


 

サポート・関連情報

TOEFL iBT®︎テスト特別受験制度

TOEFL®︎テスト日本事務局であるETS Japanでは、文部科学省より要請を受け、小学校の教員、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校及び高等専門学校の英語教員(常勤に限る)を対象にしたTOEFL iBT®︎テストの特別受験制度を設けています。

 

団体対象TOEFL iBT®︎テストバウチャー

TOEFL®︎テスト日本事務局では、教育機関・企業等の団体を対象にしたTOEFL iBT®︎テストバウチャーを取り扱っています。
団体がバウチャーを事前に購入、受験者にバウチャーを提供いただくことで、TOEFL iBT®︎テスト受験料の日本円での一括払いが可能になります。

 

団体・教育関係者向けNewsletter

ETS Japanでは、団体・教育関係者向けに新着情報メールを毎月1回の定期配信と不定期の臨時号を配信しています。定期配信の内容は、TOEFL®テスト、ETSプロダクト、ETS、ETS Japanの新着情報やセミナー・イベント情報に加えて、よくある質問の共有やTOEFL® Web Magazineの関連記事のご紹介などをお届けしています。無料で登録できますので、ぜひご活用ください。

 

 

TOEFL ITP®テスト
TOEFL ITP®テストプログラムは、学校・企業等でご実施いただける団体向けTOEFL®テストプログラムです。団体の都合に合わせて試験日、会場の設定を行うことができます。全国500以上の団体、約22万人以上の方々にご利用いただいています。

ライティング指導を効率的に Criterion®
Criterion®(クライテリオン)を授業に導入することで、課題管理、採点、フィードバック、ピア学習を効率的に行うことを可能にします。

TOEFL®テスト公式オンラインショップ 
TOEFL®テスト日本事務局が運営するオンラインショップです。日本で唯一TOEFL iBT®テスト公式オンライン模試を販売しています。

TOEFL iBT®テスト/自宅受験TOEFL iBT®テスト「TOEFL iBT® Home Edition」
英語圏の大学・機関だけでなく、世界中の大学・機関で、公式スコアとして留学や就活などに活用されています。コンピュータ上で受験し、スピーキングは回答音声をマイクを通して録音、ライティングはタイピングで回答します。

自宅受験TOEFL® Essentialsテスト 
2021年から自宅受験型の新しいテストとしてリリースされました。約90分の試験時間、短い即答式タスクが特徴のアダプティブ方式の導入されています。公式スコアとして留学や就活などにご利用いただけます。