ETS Japanは、全国の高校生が、理科・数学・情報等の複数の分野で科学の力を競う「科学の甲子園全国大会(主催:科学技術振興機構)」に協賛しています。2023年3月に行われた「第12回科学の甲子園全国大会」の優勝校には、米国にて開催される全米の科学好きの高校生が集う「Science Olympiad」への参加資格と、2日間の英語研修が授与されました。今回は「第12回科学の甲子園全国大会」で優勝し、「Science Olympiad」に参加された、神奈川県代表・栄光学園中学校・高等学校のみなさんと、顧問の塚本英雄先生に、Science Olympiadでの感想・事前の英語研修・今後参加する学生に向けてのアドバイスなどお伺いしました。
競技の感想
各競技に参加するにあたり対策したことや、今後日本から出場する後輩に向けてアドバイスを伺いました。
引用元:Science Olympiad Inc., OFFICIAL WINNER PHOTOS より
Scrambler(参加者:中村陽斗さん、加藤奏さん)
- Scramblerについて
- 落下する塊からのエネルギーを利用して卵を直線軌道に沿ってできるだけ早く運び、ターミナルバリア (TB) の中心近くで停止させる競技。 競技の詳細はこちら
【#サイエンスオリンピアド 2023】とうとう競技が始まりました‼️#科学の甲子園 でも存分に発揮されたチームワークで頑張って💪
最初にチャレンジするのは #Scrambler https://t.co/F7nnRui5k7#アッピン @WichitaState pic.twitter.com/clILRALuyK— 科学の甲子園 (@AppinKoushien) May 21, 2023
Green Generation(参加者:中村陽斗さん、成山優佑さん)
Green Generationでは、環境問題が出題されます。生物学的な生態学に関する筆記テストです。やはりアメリカの大会ということもあって、英語で問題を解かないといけないので、公式サイトがまとめている練習問題を読んで英語での解釈ができるように勉強しました。あと日本の問題には絶対出ないアメリカの環境に関する法律なども出題範囲になっていたので、そういうものも勉強をしました。
また作戦としては、成山さんが地学を勉強していて私が生物をやっているので知識は最低限大丈夫だろうと思い、どうやってスピーディーに解いていくかという視点で戦略を立てました。成山さんの方が英語を読むのが断然早いので解釈をお任せして、私が日本語の解釈で上がってきたのを聞いて考え、2人で相談して解きました。
これから挑戦する方へのアドバイス
ルールブックに制限時間が50分と書いてあったので、問題がまとめられている冊子があってそれを解くのだと思い対策をしていました。どうしても分からない単語は切り捨てて分かる問題に全力を注ごうと思っていたのですが、実際は形式が全く異なりました。まず会場に机が12台ぐらい並べられていて、1台1台に7~8題の問題が貼ってありました。3.5分の制限時間で1台に貼ってある7~8の問題を解いて終わったら、また次の机に移動してみたいな感じでした。そういったこともあり、英語を解釈するのに一番時間を多く使ってしまい、出来る問題に集中するという作戦も全然できなかったです。
細かい制限時間で切られてしまうと、やっぱりいつもどうしても20、30秒で解かないといけなくなってしまって、理解してからその問題を解くっていうところに全く時間を使うことができなかったので、選択肢といってもかなり限界がありました。
- Green Generationについて
- 一般的な生態学的原理、人間が環境に与えた影響の歴史や傾向を逆転させるための解決策、持続可能性の概念についての理解を実証する競技。競技の詳細はこちら
【#サイエンスオリンピアド 2023】こちらは #GreenGeneration。笑顔😃で落ち着いていますね。いつも通りの「平常心」で臨むことが彼らの強さの秘訣🪄なのかな。https://t.co/pUE5HfAjYx#科学の甲子園 #アッピン @WichitaState pic.twitter.com/vI1t6hGibc
— 科学の甲子園 (@AppinKoushien) May 21, 2023
Write It Do It(参加者:山口敦史さん、金是佑さん)
競技に向けて、まず始めにインターネットにある情報をかき集めました。またアメリカの州大会に向けて開かれた講座のアーカイブを見返して、自分たちでも使えるような有効な戦略を一通り拾い上げ、自分たちはどうしたらいいか考えました。Writer(書き手)とDoer(実行役)と別れるのですが、私がDoerで金さんがWriterをやりました。二人の間で解釈の違いが起きないように、戦略をまとめて「こういう風に書いてくれれば理解できる」「全て書かなくても理解できる伝え方」などポイントを共有しました。後はひたすら時間が許す限り練習をしました。
これから挑戦する方へのアドバイス
- Write It Do It について
- 2人1組で行う競技で、1人はどのように組み立てるのか説明を書き、それに基づいてもう1人の生徒がそのオブジェクトを構築する競技。競技の詳細はこちら
【#サイエンスオリンピアド 2023】本大会看板✨競技の一つ #WriteitDoit。離れた場所にいる互いの心を通わせて、いかに早く上手に情報を授受できるかがポイントです。https://t.co/zgpUYnGLqm#科学の甲子園 #アッピン @WichitaState pic.twitter.com/CB7LgHZHrK
— 科学の甲子園 (@AppinKoushien) May 21, 2023
Chem Lab(参加者:山中秀仁さん、真野恵多さん)
筆記問題と実技問題が出されるのですが基本的に過去問が公開されているのでそれを解きました。工夫したことは山中さんと2人でGoogleドキュメントで情報を共有したことです。問題を解いて自分が知らなかったことや知識を、そのドキュメントに書いていって、2人で共有したりとか、そういうのをしていました。
これから挑戦する方へのアドバイス
- Chem Labについて
- ガスおよび熱力学に関する実験を行った後、化学の科学的プロセスにおける一連の質問に解答する競技。競技の詳細はこちら
【#サイエンスオリンピアド 2023】他の4競技は非公開🆖のため、入室前に先生と最後の作戦会議⁉️
こちらは #ChemistryLab https://t.co/gzvgIQgHYP#科学の甲子園 #アッピン @WichitaState pic.twitter.com/K2WElQICqm— 科学の甲子園 (@AppinKoushien) May 21, 2023
Forensics(参加者:武田恭平さん、加藤奏さん)
これから挑戦する方へのアドバイス
- Forensicsについて
- 事件現場に残された物的証拠を分析して犯人を特定する競技。英語の資料が与えられ、記述された内容を読み、実験や検証を行い根拠を述べて犯人を割り出す。証拠やデータは物理、科学、生物などの分野にまたがった物証が残されている。論理的な思考と計算力、実験力など総合した科学の技量が問われる競技。 競技の詳細はこちら
【#サイエンスオリンピアド 2023】最後は #Forensics。その名の通り、科学的手法を用いて証拠分析を行い犯罪解決に導く競技です🧐どの競技も、とてもおもしろそうだね‼️https://t.co/9bhjHsv37b#科学の甲子園 #アッピン @WichitaState pic.twitter.com/C4TkMJRa0k
— 科学の甲子園 (@AppinKoushien) May 21, 2023
事前英語研修
英語研修では最初に英語のミニテストを行いました。そのテストの中にあった科学的な文書やサイエンスを主題とした文章を読むことは、競技の前の良いウォーミングアップになったと思います。
今後日本から参加する後輩に向けてメッセージ
私と金さんは競技中に現地の学生からインタビューを受けたこともあり、やはり英語はとても大事だと思いました。現地ではインタビュー以外でも英語を話す機会があったのですが、言葉が詰まって、言いいたいことが言えないこともあったので、言葉に詰まることなく話せるレベルまで自分を持っていきたいと思いました。
現地の人たちの発音を聞き取るのに苦労しました。普段の学習ではリスニング用に綺麗に調整された音声を聞いていますが、現地ではギャップがあり聞き取りにくかったです。また英語を読むのに時間が掛かり、競技の時間が足らなかったです。英語で書かれた問題を英語でスラスラ読める練習をもう少し積めていけたらよかったと思いました。単語は専門的なものが出てくるので、通訳の方に頼んでも正しい意味がとれないこともありました。そういったこともあり問題を解いて、練習を積み重ねた方が良かったかなと思います。
また英語以外のことだと、現地の高校生は学校ごとにユニフォームを作って着ていました。中には学校名を元素記号で表現したりユニークな学校もあったり一体感が出ていました。現地の学生との会話のきっかけにもなるし用意するといいと思いました。
また、Swap Meet(*)で現地の石を配っていた学生がいました。私も当初持っていくか悩んで断念したのですが、持っていけばよかったと後悔しています。
会場となったウィチタ州立大学があるカンザス州の気候も関係あるかもしれませんが、Science Olympiadでハイテンションになって話し続けてしまい、喉が痛くて声が出せず会話があまりできなかったです。参加されるみなさんもテンションを抑え気味にした方がいいかと思いました。
【#サイエンスオリンピアド 2023】表彰式では、グローバルアンバサダーチームとして #栄光学園高等学校 にメダル🏅が特別授与されました。おめでとう✨
下記YouTubeで登壇シーンが視聴できます(2:23:26~)。ぜひご覧ください。https://t.co/oh9xxA2r0w#科学の甲子園 #アッピン @WichitaState pic.twitter.com/Y3HpLH9Vhz— 科学の甲子園 (@AppinKoushien) May 21, 2023
(*)Swap Meet…各州代表チームと記念品交換を行う交流の場
プロフィール
1947年にイエズス会によって設立された中高一貫の男子校。生徒一人あたりの校地面積は首都圏で指折りの広さ。キリスト教ヒューマニズムに基づき、生徒一人ひとりが自ら課題を見いだし自己の可能性を最大限に伸ばさせること、生徒自身の能力を他者とともに他者のために用いる精神を育てることが教育の目標。フィリピンの姉妹校との交換留学や米国ボストンカレッジでのリーダーシップ研修など、国際交流も盛んに行われている。
Webサイト:https://ekh.jp/
科学技術振興機構(JST)は、日本の科学技術の発展を牽引する組織として、科学技術を支える人材の育成にも注力している。『科学の甲子園全国大会』はその一環として、2011年度よりJSTが開催している高校生の科学コンテストである。
科学の甲子園 Webサイト:http://koushien.jst.go.jp/koushien/
上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。
学習サポート・関連情報
Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test
各セクションは0~30のスコアで評価され、そのスコアに応じて4または5段階のレベルに分けられます。このレベルはTOEFL iBT®テストにおけるCEFR levelを反映しています。
TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Speaking)
Speakingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT®test」と併せてご活用ください。
SpeakingはETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されており、Delivery(話し方)/Language Use(語彙の使い方)/Topic Development(トピックの展開)の大きく3つのポイントに分かれています。
TOEFL iBT®テスト スコアガイド(Writing)
Writingセクションの採点基準です。上記の「Performance Descriptors for the TOEFL iBT® test」と併せてご活用ください。
Writingに関してもETSが公表しているスコア基準表に沿って採点されます。採点基準はIndependent Task用・Integrated Task用にそれぞれ作成されています。
英語圏に限らず、世界160か国以上、11,500以上の大学・大学院、その他機関で活用されています。また日本国内でも大学/大学院入試、単位認定、教員・公務員試験、国際機関の採用、自己研鑽、レベルチェック、生涯学習など活用の場は広がっています。
自宅受験TOEFL® Essentials™テスト
2021年から自宅受験型の新しいテストとしてリリースされました。約90分の試験時間、短い即答式タスクが特徴のアダプティブ方式の導入されています。公式スコアとして留学や就活などにご利用いただけます。
TOEFL ITP®テストプログラムは、学校・企業等でご実施いただける団体向けTOEFL®テストプログラムです。団体の都合に合わせて試験日、会場の設定を行うことができます。全国500以上の団体、約22万人以上の方々にご利用いただいています。