探究学習の成果を英語でプレゼンテーションにまとめるプロジェクト学習
~ICT活用で論理的に話す・書く力を伸ばし、FLIPによる評価とフィードバック
北海道にある立命館慶祥高等学校の「立命館コース」は、立命館大学や立命館アジア太平洋大学への進学を目指す3年生が在籍しており、進学の英語力の基準であるTOEFL ITPテストのみならず、進学後に必要なアカデミックスキルとして英語4技能を統合的に高める授業を展開しています。Cengage Learning社の『Keynote3』を副教材として使用し、テキスト内にあるTED Talksの多様な英語を聞き、関連した英文を読むなど、オーセンティックな英語のインプット活動を経て、プレゼンテーション等のアウトプット活動に重点を置いています。
同コースには、生徒が社会課題についてリサーチし、日本語の論文にまとめる授業「課題研究(4単位)」が開講されており、生徒が関心のある社会課題の研究を行います。本実践は、この研究の概要を活用して、英語で発表してもらうプロジェクト活動です。発表は6名のグループで行うグループ発表を行い、最終的には発表をビデオに収録してFlip(教育用動画ツール)で提出してもらいます。
生徒は「課題研究」で取り上げた社会課題について、夏休みの課題に取り組みます。課題は、ワープロで英文のスクリプトを作成し、プレゼンテーションソフトでスライドを作成して、発表内容をビジュアル化します。それらは「ロイロノート」や「OneDrive」に提出され、教員が英文添削を行い、それをもとに生徒が英語で発表練習をします。夏休み明けの授業では、生徒が自分のデバイスでクラスメートに向けて発表をし、生徒がRUBRICでピア評価をします。何度かクラスメートの前で発表練習をした後、発表をスマートフォンでビデオ収録し、あらかじめ生徒が登録しているFLIPに提出して教員が最終評価を行います。
RUBRICで留意点とゴールが明らかになり、人前で発表する緊張感もありつつ、自分で収録する安心感のためか、回を重ねるごと流暢になります。教員はグループでの発表と、録画での発表での2回の評価機会があり、ビデオでは声の調子、目線、表情、発話の内容をじっくり評価ができるのがメリットです。内容は、研究の「問い」、「現状と問題点」、そして「解決の提案」についてで、データや先行研究が論理的な構成になっています。「課題研究」の授業ですでに日本語で発表しており、それを英語に置き換えるため、整理して説明しやすくなるようです。内容がやや専門的であるため、「それについて初めて聞く聞き手が理解できるように」、かつ「自分が発表しやすいように」易しい英語で表現する工夫が必要だ、と指導します。
コロナ禍のオンライン授業による校内の通信環境の整備や、学習管理システムの活用が幸いして生徒のICTスキルの向上が見られ、コンテンツ創造力に加え、特に英語で書く・話すの技能の向上が図られています。また、RUBRICにより到達目標が教員と生徒間で共有され、ピア評価と教員評価の2回の評価機会ができるため、生徒の強みと改善点を明確にできます。3分ほどの英語プレゼンテーションをビデオで提出する方式は、ビデオや音声をSNSで発信するのが得意な生徒が多い現代のニーズにもマッチするのか、スライドを見せながら英語で話し、それをビデオ収録しFlipで投稿するという一連の作業も楽しそうにこなしていました。
立命館慶祥中学校・高等学校
山崎秀樹先生
北海道で高校の英語教員として24年、北海道立学校では、韓国、台湾、タイ、米国の学校間国際交流プログラムを実施。豪州の高校とビデオカンファレンスによるオンライン交流、カナダでの短期語学プログラムを実施。ツールとして使える英語教育を実践してきました。また、英語を使った探究学習として、ローカルビジネスとの連携を通して、地域活性化に関する課題についてのプロジェクト学習を実践してきた。北海道の公立高校3校に在籍中、政府の海外教員派遣事業で米国の高校で日本語教師、また高校教員の傍ら大学院にて英語学修士を修了。2021年より、立命館学園の付属校の一つで、北海道にある立命館慶祥中学校・高等学校において英語科教諭として勤務。TOEFL ITPテストやTOEFL iBTテストの受験のサポートや海外研修プログラムを担当している。
立命館慶祥中学校・高等学校
Webサイト:https://www2.spc.ritsumei.ac.jp/
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団体・教育関係者対象セミナー・イベント・ワークショップ・学会
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TOEFL iBT®︎テスト特別受験制度
TOEFL®︎テスト日本事務局であるETS Japanでは、文部科学省より要請を受け、小学校の教員、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校及び高等専門学校の英語教員(常勤に限る)を対象にしたTOEFL iBT®︎テストの特別受験制度を設けています。
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団体がバウチャーを事前に購入、受験者にバウチャーを提供いただくことで、TOEFL iBT®テスト受験料の日本円での一括払いが可能になります。
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Criterion®(クライテリオン)を授業に導入することで、課題管理、採点、フィードバック、ピア学習を効率的に行うことを可能にします。
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