第7回 授業での実践事例 | 教育コンサルタント 片桐紀子先生

 

LINE等を利用したスピーキング技能向上のための学習管理

教育コンサルタントとして、英語学習に関するカウンセリングやレッスンを行っています。語学スクールや留学準備予備校などの教育機関、企業・団体および個人クライアントから依頼を受け、TOEFL® テスト受験対策と合わせて受講者の英語力向上に努めています。

語学スクール・予備校等では、TOEFLテストフォーマットの問題集を使用してテスト形式に慣れること、セクションによっては、いわゆるテンプレート的なものを意識した回答を訓練することが中心となります。この方法は短時間でも点数アップが期待できるため試験対策としては非常に効果がありますが、これだけでは英語力の底上げはできないことを受講者に理解してもらうことも大切だと思っています。

個人クライアントからの依頼は、特にリスニングやスピーキングの向上を希望されることが多く、その対策に力を入れています。聴解力はリスニングセクションだけでなく、スピーキングやライティングセクションにも大きく影響するため、TOEFLテスト問題集等の音声を携帯などに入れて常に持ち歩き、余裕があればポッドキャストも利用して英語を聞く作業に慣れるよう指導します。受講者の多くはシャドーイング等も既に学んできており、それがスピーキング練習としても効果的で毎日実践すべきであると認識していますが、習慣化できている人はほとんどいません。そこで、受講者のスピーキング等アウトプットの習慣付けをLINEやGoogle Driveなどの機能を利用して徹底的に管理しています。

受講者にはTOEFLテストスピーキング対策用の練習問題やTOEFL iBT® テスト教授法ワークショップを通じていただいたWriting Topicsを課題としたスピーチに加え、シャドーイング、日々の出来事や新聞・ネットで得た情報、TVドラマのストーリーなどを1~2分間、沈黙の部分がないよう心掛けて話したものをスマホ等で録音し、毎日、できれば数回、提出してもらいます。正確さは二の次で、とにかくアウトプットの機会を増やすことが目的です。録音後にLINEの音声ファイル送信アプリを利用して送信、グループ受講の場合はGoogle Driveにアップロード・グループ共有して他の受講者にも聞いてもらえるようにすることで緊張感を持たせます。間違いを細かくチェックするかどうかはケースバイケースですが、チェックしない場合でもスピーキング力は大きく向上しています。

ネイティブスピーカーと話す機会がなければ会話力は身に付かないと考える受講者が多いのですが、これらの訓練を通じて、実際には一人でも学習できる部分は大きく、英語アウトプットに「慣れる」ことの大切さに気づいてもらうことができます。スピーキングは日本人留学生の一番の難関ですからTOEFLテスト受験が終了してもアウトプットの習慣は続けるよう勧めています。

 

▲ネイティブスピーカーとの勉強会にも参加し情報交換や疑問点を解消しています

 

教育コンサルタント
片桐紀子先生

米国ハーバード大学教育大学院修士号取得。国際教育専攻。ハーバード大学・ブラウン大学・国際基督教大学等で日本語学科講師を務めた後、2003年から8年間、横浜市議会議員として英語・日本語の言語教育推進に尽力。小学1年生からの英語教育(活動)導入や疑似留学体験のできる「横浜英語村」などを実現。現在、教育コンサルタント。語学分野では、TOEFLテスト・TOEICテスト・実用英語技能検定等の試験対策、企業・大学で英会話講座や外国人のための日本語・文化講座などを担当。

教育コンサルタント
クライアントの要望に合わせて教育や人材育成に関するカウンセリングやアドバイス、研修カリキュラム作成およびレッスンを提供。企業や地方自治体での新人・キャリア研修、大学や語学スクールでの講義のほか、個人クライアントからは大学・大学院のAO受験や海外留学・語学学習に関する相談を中心に受けている。TOEFLテスト対策の主なクライアントは、米国の大学・大学院への進学希望者のうちアイビーリーグ校など上位レベル校を目指す受講者や、近年ではTOEFLテストスコア提出を必要としている国内の大学・大学院受験希望者が増加傾向にある。

 


上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。


 

サポート・関連情報

団体・教育関係者対象セミナー・イベント・ワークショップ・学会

ETS Japanでは英語教員対象を対象としたTOEFL iBT®︎テストの指導法のセミナー、ワークショップをはじめ、英語教育関連の様々な学会に参加し、TOEFL®テストに関する情報を提供しています。

 

TOEFL iBT®︎テスト特別受験制度

TOEFL®︎テスト日本事務局であるETS Japanでは、文部科学省より要請を受け、小学校の教員、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校及び高等専門学校の英語教員(常勤に限る)を対象にしたTOEFL iBT®︎テストの特別受験制度を設けています。

 

団体対象TOEFL iBT®︎テストバウチャー

TOEFL®︎テスト日本事務局では、教育機関・企業等の団体を対象にしたTOEFL iBT®︎テストバウチャーを取り扱っています。
団体がバウチャーを事前に購入、受験者にバウチャーを提供いただくことで、TOEFL iBT®︎テスト受験料の日本円での一括払いが可能になります。

 

団体・教育関係者向けNewsletter

ETS Japanでは、団体・教育関係者向けに新着情報メールを毎月1回の定期配信と不定期の臨時号を配信しています。定期配信の内容は、TOEFL®テスト、ETSプロダクト、ETS、ETS Japanの新着情報やセミナー・イベント情報に加えて、よくある質問の共有やTOEFL® Web Magazineの関連記事のご紹介などをお届けしています。無料で登録できますので、ぜひご活用ください。

 

 

TOEFL ITP®テスト
TOEFL ITP®テストプログラムは、学校・企業等でご実施いただける団体向けTOEFL®テストプログラムです。団体の都合に合わせて試験日、会場の設定を行うことができます。全国500以上の団体、約22万人以上の方々にご利用いただいています。

ライティング指導を効率的に Criterion®
Criterion®(クライテリオン)を授業に導入することで、課題管理、採点、フィードバック、ピア学習を効率的に行うことを可能にします。

TOEFL®テスト公式オンラインショップ 
TOEFL®テスト日本事務局が運営するオンラインショップです。日本で唯一TOEFL iBT®テスト公式オンライン模試を販売しています。

TOEFL iBT®テスト/自宅受験TOEFL iBT®テスト「TOEFL iBT® Home Edition」
英語圏の大学・機関だけでなく、世界中の大学・機関で、公式スコアとして留学や就活などに活用されています。コンピュータ上で受験し、スピーキングは回答音声をマイクを通して録音、ライティングはタイピングで回答します。

自宅受験TOEFL® Essentialsテスト 
2021年から自宅受験型の新しいテストとしてリリースされました。約90分の試験時間、短い即答式タスクが特徴のアダプティブ方式の導入されています。公式スコアとして留学や就活などにご利用いただけます。

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