第17回 授業での実践事例 | 神奈川県立光陵高等学校 辻祐哉先生

 

生徒の英語力を育成する取り組み

 目次
 1.はじめに ―教員の共通理解を図る―
 2.「トライアングルディベート」
 3.今後の課題、取り組もうと思っていること

 

1.はじめに ―教員の共通理解を図る―

昨年度は1年生を担当しました。4月のアンケートから生徒がスピーキングに不安を抱えていることが判明しました。スピーキングに対する抵抗感を減らすこと(fluencyの向上)を1年生での課題とし、コミュニケーション英語Ⅰでは1分間スピーチや1分間の会話を、英語表現Ⅰでは写真描写や3コマ漫画を用いたストーリーテリングを中心に行いました。また、定期テストにも15点分のスピーキングテストを入れたことで、生徒は普段の活動に、より積極的に取り組みました。

今年度は、生徒のaccuracyの向上と思考力(クリティカルシンキング)の育成を意識しています。また、リスニングに苦手意識を持った生徒も多いため、「トライアングルディベート」を帯活動として授業に導入しています。

 

2.「トライアングルディベート」

「トライアングルディベート」とは3人組のディベートのことで、それぞれの生徒が賛成・反対・ジャッジの役割に分かれます。与えられたトピックについて立場を決め、簡単にメモを取ったらディベート開始です。先日行ったトピックはE-sports should be in the Olympics.でした。生徒には不慣れなテーマかもしれませんので、eスポーツとは何か、今年の茨城国体にeスポーツが採用される、などの情報をこちらから簡単に説明をしました。このように、難しいトピックでも生徒にとって身近なものと感じさせることで、生徒は積極的に取り組めています。

「トライアングルディベート」を通じて、生徒はトピックについて一生懸命思考を巡らせ、スピーキングに取り組み、相手の要点をつかもうと集中してリスニングに取り組んでいます。ディベートが終わったところで生徒は、言えなかった表現や参考になった考え方をメモし、日本語で伝えられなかった内容をグループごとに話し合っています。とても大変だと言う生徒ももちろんいますが、とても勉強になるし楽しいと言ってくれる生徒もいます。

▲ 実際に利用している教材(PDF:1.44 MB)

 

3.今後の課題、取り組もうと思っていること

1年生の時もそうでしたが、生徒は「トライアングルディベート」でも英語を積極的に使っています。しかし、文法が破綻していても思いやりのある生徒たちは頭の中で内容を推測しています。生徒の考えが聞き手のListener’s effortがなくても通じるよう、生徒のやりとりに徐々に負荷をかけていき、accuracyを高めていきたいと思っています。

思考力(クリティカルシンキング)は、スピーキングにはもちろん、リーディングやライティング、リスニングにも通ずる大切な力だと感じています。生徒の英語力を高めることはもちろん大切ですが、将来を担う生徒にはこの力をしっかりと身に付けることができるように指導していきたいと考えています。

 

 

神奈川県立光陵高等学校
辻祐哉先生

大学卒業後、神奈川県立鶴見総合高校に勤務し、現在、神奈川県立光陵高等学校教諭。文部科学省による英語教育推進リーダー中央研修を経て、現在神奈川県内において英語教育に関する研修に携わっている。文部科学省委託事業グローバル化に対応した外国語教育推進事業(慶應義塾大学)運営指導委員。
主な研究分野は、授業デザイン。特に自律的な学習者の育成やスピーキング、ライティングの評価に興味を持っている。

神奈川県立光陵高等学校
神奈川県立光陵高等学校は「学力向上進学重点校エントリー校」として、さらに「教育課程研究開発校(新たな学習評価に係る研究)」として県の指定を受けており、生徒は上手に部活動と学習を両立させています。また「連携型中高一貫教育校」として横浜国立大学教育学部附属横浜中学校さらに横浜国立大学との連携を通じて、これからの社会をよりよく生きるための幅広い能力を育成する多様な教育活動を展開しています。
URL:https://www.pen-kanagawa.ed.jp/koryo-h/

 


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