第24回 Criterion®導入校 | 東京大学教育学部附属中等教育学校 戸上和正先生 ―前編―

 

Criterion®(クライテリオン)導入校
東京大学教育学部附属中等教育学校 英語科
戸上和正先生

東京大学教育学部附属中等教育学校の戸上和正先生に英語教育の取り組みやオンライン授業についてお伺いしました

 

編集部
東京大学教育学部附属中等教育学校の特色などを教えてください。
戸上和正先生
1948年に新制中学校として発足し、2018年に70周年を迎えました。東京大学教育学部の研究学校として教育学研究が行われており、双生児における教育の研究も創立直後から続けられています。2000年度から6年間の中等教育学校になり、そこから協働学習の実践と研究に取り組んでいます。

 

編集部
先生のご経歴と英語指導のモットーなどお聞かせください。
戸上先生

25年ぐらい高校生を中心に英語を教えています。本校には2010年に赴任し11年が経ちました。若い頃は例えば「英語で何をするか」「発音ありきで、発音から文字へ」「耳から口にいきましょう」といったトピックで教育活動を行っていました。最近は『「これ」というモットーがない』のがモットーです(笑)。

今は「教える」という時代ではありません。教師がすることは生徒の進路の実現を目指すだけではなく、生徒が学びで感じた「面白い」という思いを持ち続け、土台となる知識や経験を得られるように、時代の流れや個々の生徒のニーズに合わせてファシリテートしていくことだと考えています。

 

 

編集部
今年度はコロナ禍で休校などがありました。この1年は先生にとってどのような年でしたか。

 

戸上先生

学校教育について考えさせられた1年間でした。本校は2・2・2制といって2年ごとに担任が変わるので、私は今(取材時)の6年生(高3)が5年生(高2)の時から継続して担当しています。ちょうど昨年の2月28日に学校の一斉臨時休業が決定されました。そして5月になってからオンラインで授業を再開することができました。オンラインでしたが授業を再開できた喜びというのは、感慨深いものでした。

しかしすぐにオンライン授業の限界や課題も見えてきました。色々な国の先生方が工夫して行っているオンライン授業をニュースなどで見て感心する一方、疑問を感じる部分もあり、学校教育の意味とはなんだろう、とずっと考えていました。

 

 

編集部
オンライン授業で苦労した点を教えてください。

 

戸上先生

授業の前には板書計画を立てたり、素材を準備したりするのですが、オンライン授業の準備は対面授業と同じようには行かず苦労しました。例えば、対面授業でプロジェクターで見せていたスライドなどは、ベースは同じでもオンラインになることによって「ここまで見せてはまずいかな」とか、「こう見せたら誤解が出るかな」とか悩むことがありました。

また、黒板とスクリーンを同時に見せたいと思った時に、さぁ、どうしようか…って。最初はそういった技術的な悩みもありました。

あと、便利になるぶん、欲張ってしまい、しわ寄せが睡眠時間に来るという悩みもありました(笑)。

 

編集部
オンライン授業だからこそできたことはありますか。

 

戸上先生

授業を録画しておけば資料として後で提示できるというのはオンラインならではですね。参加できなかったり、途中で接続が切れてしまったりした生徒にとって便利だと思います。

一番便利だったのは音読テストですね。対面授業だと、私が生徒一人一人の音読テストをしている間に他の生徒にやらせる何かを用意しないといけないのですが、オンラインだと生徒がそれぞれ同時に話して録音して、一斉に提出することができます。その時に終わらなくても課題としてあとで録音して提出することもできます。もちろん、私は後で全て聴かなければいけません(笑)。

あと、天気が良い時に英語の授業を外から中継しました。外にあるものを使って、授業の内容と関連させながらやりました。

 

 

編集部
オンライン授業の課題はなんですか。

 

戸上先生

スクリーンタイムですね。50分のクラスが毎日6〜7コマあるので、それを全て画面で見て、というのでは集中力がとてももちません。昨年5月のオンライン授業の時期は、25分くらい授業をしたら休憩を取って、というふうに気を使いながら行っていました。オンライン授業の課題としてスクリーンタイムはあると思います。

別の課題として、物理的なものを確認しづらいというのがありました。対面の授業では教員は机間巡視をしながら進度チェックをして、授業プランをマイナーチェンジしたりして…ということをやりますが、それができないんですよね。手元のノートなどが見れないので、どこまで理解しているのか、先に進んでいいのか判断が難しい、というのはすごくあったと思います。

 

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東京大学教育学部附属中等教育学校 英語科
戸上和正先生

千葉大学教育学部卒、千葉大学大学院(教育学修士)修了。10数年私立高等学校の外国語科教諭として務めた後、現職につきました。今年で12年目です。ここ数年は探究型学習、プロジェクト型学習と協働に関する研究に勤しんでおります。英語でどんな世界を広げてあげるか。これが今の私の最大のテーマです。教育界のみならず、生きている限りたくさんの方々と語り合えたら幸せです。気軽にご連絡を!

東京大学教育学部附属中等教育学校

前身は1921(大正10)年創立の7年制の東京高等学校。1948年に新制中学校として編成され、その翌年に新制高等学校が発足。以来、中高一貫教育における教育研究と教育実践の連携の場として重要な役割を担う。「双生児研究」「6年一貫カリキュラムの研究」「協働的な深い学び」「卒業研究を含む総合学習」「教員・生徒・保護者が一堂に会する三者協議会」などの独特な取り組みは多くの教育研究者から注目されている。
URL:http://www.hs.p.u-tokyo.ac.jp

 

 

 


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サポート・関連情報

ライティング指導を効率的に Criterion®
Criterion®(クライテリオン)を授業に導入することで、課題管理、採点、フィードバック、ピア学習を効率的に行うことを可能にします。

 

TOEFL iBT®︎テスト特別受験制度

TOEFL®︎テスト日本事務局であるETS Japanでは、文部科学省より要請を受け、小学校の教員、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校及び高等専門学校の英語教員(常勤に限る)を対象にしたTOEFL iBT®︎テストの特別受験制度を設けています。

 

団体対象TOEFL iBT®︎テストバウチャー

TOEFL®︎テスト日本事務局では、教育機関・企業等の団体を対象にしたTOEFL iBT®︎テストバウチャーを取り扱っています。
団体がバウチャーを事前に購入、受験者にバウチャーを提供いただくことで、TOEFL iBT®︎テスト受験料の日本円での一括払いが可能になります。

 

団体・教育関係者向けNewsletter

ETS Japanでは、団体・教育関係者向けに新着情報メールを毎月1回の定期配信と不定期の臨時号を配信しています。定期配信の内容は、TOEFL®テスト、ETSプロダクト、ETS、ETS Japanの新着情報やセミナー・イベント情報に加えて、よくある質問の共有やTOEFL® Web Magazineの関連記事のご紹介などをお届けしています。無料で登録できますので、ぜひご活用ください。

 

 

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