第15回 Criterion®導入校 | 獨協大学 飯島優雅先生 ―後編―

 

Criterion®(クライテリオン)導入校
獨協大学経済学部経営学科 准教授
全学共通カリキュラム英語部門
飯島優雅先生

獨協大学の飯島優雅先生インタビューの後編になります。前編の内容はこちら

Criterion®の導入による変化

 

編集部
Criterion®を導入することにより何が変わったと思いますか。
飯島先生

ライティングへのフィードバックが、教員と学生同士からに加え、Criterion®からも得られるようになりましたので、時間的な効率性だけでなく、フィードバックと書き直しの量と質も向上したと感じています。導入前と比べ、学生が主体的に書き直しに取り組みやすくなりました。授業では、どう書き直せばいいか学生同士がよく相談しています。お互いに持っている知識を共有して助け合っているわけです。そういうディスカッションの質の良さというのは観察できます。また一生懸命考えた上で教員に質問するので、質問の質も良くなりましたし、質問の数も増えたように感じます。また、Criterion®をきっかけに、発展的に学習が促されているように思います。例えば学生から、同じ単語の繰り返しをCriterion®に指摘されるがどうしたらいいか、という質問をよくされますが、トピックに関するキーワードの言い換えの仕方や程度、オンライン辞書などを賢く使って類語を調べる方法をクラス全体で考える良い機会になっています。

また、Criterion®がカバーできない側面の指導に時間をかけられるようになったことも大きいですね。例えば、論展開の深まりは十分か、段落間の繋がりはスムーズか、論文にふさわしいアカデミックな言葉遣いで書かれているか、などです。文法や語法的には正確でも、効果的なライティングコミュニケーションになっているかについて学生の気づきを促すのは、やはり教員からのフィードバックの役割が大きいと思います。

 

▲ Criterion フィードバック画面

 

編集部
全カリ英語の先生方のCriterion®に関するご意見をお聞かせください。

 

飯島先生
Criterion®が指導サポートツールとして有用であることを示す反応をいただいています。教員アンケートでは「Criterionを導入する前と後で特に指導について大きく変わったことはないが、文法的な間違いや句読点、スペリングなど本当に細かいところの修正は完全に学生自身に任せられるようになった」という回答がありました。また、複数の先生方が、Criterionでも解決されないこと、つまり多くの学生が共通して間違える部分は、授業で取り上げることができるので、表面的な文法や語彙よりも、全体的な構造や内容に焦点を当てるフィードバックができるようになったと仰っていました。学生がCriterionからの指摘を鵜呑みにせず、自分でもしっかり考えて修正をする姿勢が身に付いてきた、という声もありました。

 

 

編集部
学生さんのCriterion®に対する反応について教えてください。
飯島先生
おおむねCriterion®の利点を高く評価しています。約290人の学生1~3年生を対象としたアンケート結果では、9割を超える学生が「Criterion®はあなたのライティング力向上に役立つと思いますか」の質問に、「とても思う・そう思う」と答えました。また「特に役立った点」は、「自分の文章力を再確認できた」「ミスした箇所、一つひとつにコメントがあるのが良い」「自分では気がつかない誤りが見つけられて改善できる」「色が付いていて分かりやすい」「文法などはWebで検索してもなかなか出てこないから、役立った」「頻繁にする自分のミスが分かった」などでした。自分だけでは解決できないことが分かるというのは良いですね。また自分では正しいと思って書いている箇所に、「ここを見直した方がいいですよ」と指摘がくることも有益のようです。書く時に忘れがちな項目の例として「とにかく冠詞の間違いが見つかって良かった」というコメントも多かったです。一方で、「Criterion®の指摘について教員に説明を求めた、または求めたかった」項目は、主に「文法」や「スタイル」の誤りについてだということも分かりました。これはライティングハンドブックの活用や、教員からの明示的指導の必要性を示していると思います。

 

 

編集部
Criterion®の導入を検討中の先生方に向けて、アドバイスをいただけますでしょうか。

 

飯島先生
まずは現行のライティング指導にどのような課題があるかを関係者の間で共有すると良いかと思います。そうしておくとCriterion®がその問題解決に適したツールかどうか、客観的に検討できますし、導入後の使い方もはっきりしてきます。また、特にICT系の新しいことを始めようとすると、必ずどこかで導入と運用のために働いてくださる方が必要になります。運用を続けていくための組織づくりも必要かもしれません。まずは小さい規模で導入し必要に応じて徐々に利用を拡大するのでも良いと思います。本学の場合は、複数のライティング添削ソフトを検討しCriterion®の利用を決めましたけれども、導入期は限られたクラスで試し、ライティング科目コーディネーター教員が授業資料を作成しました。2013年のCriterion®リニューアルでインターフェイスが見やすくなり日本語サポートも増えたことから、その後数年かけて全てのライティングクラスに利用を拡大しましたが、これに伴い、学生のアカウント情報配布にも結構な工夫が必要になり、本学職員の協力を得て効率化してきました。資料作成ではETS Japanさんにもご協力いただいています。利用クラスが増えたことで教員へのワークショップやサポートも必要に応じて実施しています。利用者の声を聞きながら、学内関係部署と連携し、より効率的なCriterion®運用方法を求めて今も試行錯誤しています。本学の事例が参考になれば幸いです。

 

編集部
ありがとうございました。

 

▲ 大学からほど近い、国指定の名勝地でもある草加松原

 


 

獨協大学経済学部経営学科 准教授
飯島優雅先生

国際基督教大学教養学部語学科を卒業後、ニュージーランドVictoria University of Wellingtonにて英語教授法ディプロマ、米国Ohio Universityにて修士号(応用言語学)を取得。米国Colby College 東アジア研究学部講師、城西国際大学語学教育センター研究員、国際基督教大学英語教育課程講師などを経て、2005年に獨協大学に着任。専門領域は、英語教育学、教育工学。研究テーマは、学術目的の英語、外国語カリキュラム・教材開発、コンピュータを活用した協調学習など。

獨協大学

1964(昭和39)年、第三次吉田茂内閣の文部大臣を務めた天野貞祐博士を初代学長として埼玉県草加市に設立された私立大学。起源は1883(明治16)年設立の獨逸学協会学校。外国語・経済・国際教養・法律の4学部と大学院、研究所等の付属機関を擁する。「大学は学問を通じての人間形成の場である」という建学理念のもと、伝統である外国語教育を重視し、国際化・複雑化する社会に自ら考え、柔軟に対応できる人材を輩出している。
Webサイト:http://www.dokkyo.ac.jp/

 

 


上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。


サポート・関連情報

ライティング指導を効率的に Criterion®
Criterion®(クライテリオン)を授業に導入することで、課題管理、採点、フィードバック、ピア学習を効率的に行うことを可能にします。

 

TOEFL iBT®︎テスト特別受験制度

TOEFL®︎テスト日本事務局であるETS Japanでは、文部科学省より要請を受け、小学校の教員、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校及び高等専門学校の英語教員(常勤に限る)を対象にしたTOEFL iBT®︎テストの特別受験制度を設けています。

 

団体対象TOEFL iBT®︎テストバウチャー

TOEFL®︎テスト日本事務局では、教育機関・企業等の団体を対象にしたTOEFL iBT®︎テストバウチャーを取り扱っています。
団体がバウチャーを事前に購入、受験者にバウチャーを提供いただくことで、TOEFL iBT®︎テスト受験料の日本円での一括払いが可能になります。

 

団体・教育関係者向けNewsletter

ETS Japanでは、団体・教育関係者向けに新着情報メールを毎月1回の定期配信と不定期の臨時号を配信しています。定期配信の内容は、TOEFL®テスト、ETSプロダクト、ETS、ETS Japanの新着情報やセミナー・イベント情報に加えて、よくある質問の共有やTOEFL® Web Magazineの関連記事のご紹介などをお届けしています。無料で登録できますので、ぜひご活用ください。

 

 

TOEFL ITP®テスト
TOEFL ITP®テストプログラムは、学校・企業等でご実施いただける団体向けTOEFL®テストプログラムです。団体の都合に合わせて試験日、会場の設定を行うことができます。全国500以上の団体、約22万人以上の方々にご利用いただいています。

TOEFL®テスト公式オンラインショップ 
TOEFLテスト日本事務局が運営するオンラインショップです。日本で唯一TOEFL iBTテスト公式オンライン模試を販売しています。

TOEFL iBT®テスト/自宅受験TOEFL iBT®テスト「TOEFL iBT® Home Edition」
英語圏の大学・機関だけでなく、世界中の大学・機関で、公式スコアとして留学や就活などに活用されています。コンピュータ上で受験し、Speakingは回答音声をマイクを通して録音、Writingはタイピングで回答します。

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2021年から自宅受験型の新しいテストとしてリリースされました。約90分の試験時間、短い即答式タスクが特徴のアダプティブ方式の導入されています。公式スコアとして留学や就活などにご利用いただけます。

TOEFL iBT®テストオンライン模試 TOEFL iBT® Complete Practice Test

 

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