第34回 Criterion®導入校 | 実践女子大学 諏訪友亮先生

 

Criterion®(クライテリオン)導入校
実践女子大学 英文学科 専任講師
諏訪友亮先生

3月に開催された教育機関向けライティング指導ツールのCriterion®(クライテリオン)オンラインセミナーでは、実践女子大学の諏訪友亮先生に登壇いただきました。今回はセミナー内でのお話をまとめました。Criterionを使った効果的なライティング指導の成果をお話いただきました。ぜひご覧ください。
※インタビューで語られている内容は2022年度の授業についてです。

 

 目次
 自己紹介をお願いします
 Criterionの導入の経緯を教えてください
 Criterionのご使用法について教えてください
 Criterionご使用のご感想について教えてください
 Criterion導入によって学生や先生ご自身の変化などありましたか
 内容の評価はどうされていますか
 先生ご自身の今後のご展望やCriterionへの期待する点などあれば教えてください

 

自己紹介をお願いします

 

編集部
諏訪先生、本日はどうぞよろしくお願いします。まずは先生の自己紹介をお願いできますでしょうか。
諏訪先生
諏訪友亮と申します。実践女子大学の英文学科で教えています。普段は文学や文化系の専門科目の他にライティング等の英語科目も教えています。

 

Criterionの導入の経緯を教えてください

 

諏訪先生
ライティングの授業は英語系教員にとって最も負荷の大きい授業の一つになっています。学生にできるだけたくさん書いてほしいと願う一方で、分量が多くなればなるほど、教員側の添削の負担が増してしまうというジレンマがありまして、それが学科の課題になっていました。Criterion自体は他大学で使われているというのを知っていましたので、これなら添削を部分的に任せてみてもいいのではないかということで、試験的に本学科でも導入することになりました。

 

Criterionご使用のご感想について教えてください

 

諏訪先生

まず使っている科目ですが、2年生向けに週2回行われている「Paragraph Writing」という必修科目で使っています。このクラスはクラス分けテストによって習熟度別に分かれています。全体の到達目標としては英語でパラグラフを書けるようになることでして、上位クラスはエッセイライティングも目標にしています。

僕の授業で使っているトピックは、Criterionライティングコースパック8(以下、Criterion WCP8)に付属している、大学に行く理由を問う“Reasons for Attending College”、留学をする理由を問う“Why Study Abroad”、そして企業や大学においてグループのメンバーとリーダーのどちらがいいかをディベート型で議論させる“Group Member or Leader”の3つのトピックを使用しました。採点は各回一度のみに設定し、提出の回数に制限があったため書き直しというのは僕の授業では行っていませんでした。

指導内容についてですが、まず1つ目はCriterion WCP8付属の指導ブックにあるセンテンス単位の英作文トレーニングに例文を加えつつ、それを学生に書いてもらいました(図1)。次に、同じく指導ブックに付属する頻出表現、単語・フレーズ集を学生に配布して、その表現を覚えることをやっています(図2)。

 

図1 Criterion WCP8 指導ブック 英作文作成活動用のシート
図2 英文エッセイでよく使われる単語・フレーズ集

 

諏訪先生
次に、オンライン上で僕が見つけてきた関連資料を配布してリーディングをし、表現や語彙を確認してライティングに生かしてもらうことをしています(例えば、”Yokota, Masahiro, et al. (2016). Survey of Global Personnel Development and Long-term Impact of Study Abroad: Summary Report.)。最終段階でアウトラインを作成してもらって全員の前で発表してもらい、その後1〜2週間でエッセイを提出してもらうということになっていました。このセットを半期に3〜4回、1回400〜500語程度の分量です。

 

Criterionご使用のご感想について教えてください

 

諏訪先生

Criterionを使っていて、圧倒的な利点だと感じたのは、他の校正サービスとは違ってスコアが出るというところだと思っています。他のサービスも間違いを指摘してくれはするんですが、点数化まではしてくれませんね。添削だけではなく、採点の作業も教員側には大きな負担になってましたので、Criterionでそこを代替してもらえるというのは非常に大きなところだと思っています。

 

Criterion導入によって学生や先生ご自身の変化などありましたか

 

諏訪先生

まず学生側の変化については、やはり書く量が多くなったということですね。採点が大変なので教員がなるべく課題の量を少なくするということを今まではせざるを得なかったんですが、Criterionを導入したことでまとまった分量の課題を毎回出すことができるようになりましたやっぱり書きたいという学生が非常に多いんですよね。英語ができる学生ほど書く意欲は高いので、そういった学生の満足度を満たすことができたと思います。特に留学を希望する学生の場合、留学先で1000〜2000語のタームペーパーを出さなければいけないので、特にそういう期待に応えられるような課題が出せたんじゃないかなと思っています。

あとはですね、アカデミックな内容の英文エッセイやパラグラフの型の練習は今まで半期に1回できればいいというのが、3〜4回できるようになりました。練習回数が増えたというのは大きいかなと思います。

他には、このCriterion側の指摘がそこまで多すぎず、学生の意欲を削がないということも言えると思います。というのも、教員というのはなるべく間違いを全部指摘して赤をたくさん入れがちなんですよね。そうすると学生側はどこが大事なのか分からない、全部の間違いを覚えきれないうえにやる気をなくし、次にまた似たような間違いをしてしまいます。だから、教員が頑張ってしたことがあまり報われないということは、このライティングの授業でよく起こるんですけども、このCriterionは適度な指摘の数にとどまるので、学生のやる気を削がないということがあります。

教員側の変化なんですけれども、一番大きなものは大幅な負担の軽減ということです。隅から隅まで赤を入れて採点をすると、一人に30分〜1時間かかることもざらにあったんですけども、それが大体10分とか、それぐらいで終わることも可能になりました。

あとは利用に積極的な教員が増えたということです。導入の際にはあまり関心のなかった先生方もいらっしゃったんですが、授業で成果が出たということで、自分の授業にも使ってみようかと思う先生方が増えました。それで結果的に学科では正式採用ということになりましたし、他の授業にも拡大して利用することにもなりました。

 

 

内容の評価はどうされていますか

 

諏訪先生
やはり内容の評価を全て自動採点に任せるというのは難しい面はあります。ですので、教員も一読することで内容の良い学生は加点するというような対応をしていました。ただ、英語教員の方ならご存知だと思うんですが、文法的に間違いの少ない学生ほど、内容面でも優れた文を書くという傾向があるのは確かですので、それほど問題になっていなかったというふうに思っています。

 

 

先生ご自身の今後のご展望やCriterionへの期待する点などあれば教えてください

 

諏訪先生
昨今、続々と高度な英語校正や文章作成サービスが登場していると思います。特に今話題のChatGPTは、大学の英語授業の運営にとっても脅威になっておりまして、海外では使用を禁止するということを正式に通達している大学も出始めています。ですので、今後は学生がそういったAIによって自動で英語を作るというサービスを使わずに自ら英語を書いたり、喋ったりすることの満足感や達成感を授業内でどうやって高めていくのかということが大事になってくると考えています。その点でも、Criterionは英文自体をまるまる作ってくれるシステムではないんですよね。自分が作った英文をある基準に即して採点してくれるサービスなので、学生のもっと書きたいという意欲を高めてくれるようになっているんじゃないかなと個人的には考えています。Criterionへの期待としてはですね、ユーザーインターフェースなどのビジュアル面でのアップデートを重ねていただく。他に現在は最大で6点満点なんですけれども、それを例えば10点満点ぐらいにしてもらって、さらに細かくいろんな指摘や評価基準を設けていただくなど、より学生の点数に差が出るようにしてもらうと、教員の側も評価する時に参考にしやすいのかなと思っています。

 

 

編集部
先生今日は貴重なお話を聞かせていただきまして、ありがとうございました。

 

 

 

実践女子大学 英文学科 専任講師
諏訪友亮先生

専門分野・専攻:英語圏詩、アイルランド文学・文化、日本語詩
早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学。国立アイルランド大学ダブリン校(UCD)MA。東京農業大学助教を経て、2018年より実践女子大学専任講師。現在、文学・文化系の専門科目のほか、ライティング科目を担当。

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