第10回 TOEFL ITP®テスト導入校 | 桐光学園中学校・高等学校 清沢健二先生 -後編-

 

TOEFL ITP®テスト導入校
桐光学園中学校・高等学校
清沢健二先生

前回ご寄稿いただいた「ユニーク講習‘Academic Skills for Study Abroad’におけるTOEFL ITP®テスト活用実践報告」の後編です。前回の内容はこちら

ユニーク講習‘Academic Skills for Study Abroad’におけるTOEFL ITP®テスト活用実践報告 ―後編―

 

 目次
 4. 今後の展望
 5. 生徒の声
 6. 桐光学園での英語教育と国際教育について

 

4. 今後の展望

本講座はTOEFL ITP®テストが必修となるため、受講生は将来欧米の大学や大学院で学びたいという希望を持つ生徒が多く集まっていますが、現時点で留学を希望しない生徒も含めて幅広く受講しています。それは、TOEFL ITP®テストで求められる英語の能力が、英検やTOEIC®テストなどの英語資格試験とは違ったアカデミックな出題方法であり、その信頼性が本校において広く認知されてきているからであると言えます。

 

▲ 授業の様子

ASSAの受講者に対して今年度の初回の授業で行ったアンケートから、本校生徒におけるTOEFL®テストへの関心が高まってきていることが伺えました。下図は、「今後受けてみたい資格試験」について聞いた結果を示しています。全校生徒に案内を出している英検を今後受けてみたいという生徒が最大数を占めてはいますが、TOEFL®テストも51名もの生徒が「受けたい」と回答しています。これはTOEFL®テストで問われているアカデミックな英語に対する関心や、海外留学に対する意識の高さを表していると言えるでしょう。TOEFL ITP®テストの受験は、そのような生徒のニーズに合った現実的で継続可能な選択肢であると考えています。

▲ 図:今後受けたい資格試験(複数回答あり)

 

今後は、生徒や保護者におけるTOEFL®テストの認知度を更に高めていき、より多くの生徒が自身のアカデミックな英語力における到達度合いを測れるようにしていく予定です。TOEFL®テストの受験が生徒の英語学習の動機付けになり、TOEFL®テストの受験をきっかけにして本校からより多くの生徒が留学を希望するようになっていけたらと思います。そして将来社会に羽ばたいていく時に、世界を舞台に活躍するグローバル人材となっていくことを願っています。

5. 生徒の声

ASSAを受講する生徒はとても意識が高く、自分の将来を見据えて日々努力を重ねています。今回はインタビューの形式を取り、生徒の生の声をお届けしたいと思います。インタビューに答えてくれたのは、高校から桐光学園に入学し、クラスでHR委員を務める高校1年生の浜川龍一君です。浜川君は神奈川県相模原市で生まれ、すぐに家族とともに香港へ移住。その後中国国内を移動し、5歳から中学校卒業までを広州で過ごした帰国生です。現在、第二回目のTOEFL ITP®テスト受験に向けて、Oxford Bookwormsなどの洋書購読やVOA Learning Englishなどの英語ニュース聞き取りを実践中です。

 

桐光学園高等学校 1年生 浜川龍一君

ASSAを受講して僕は二つの目標ができました。それは論理的思考能力を鍛えることとTOEFL®テストで留学に必要なスコアを取得することです。論理的思考能力を鍛えることによって、僕は通常の授業においても積極的に参加をする姿勢が身につき、授業中に発言することができるようになりました。また同時に、個人や地域だけではなく、社会、国家の視点から物事を観るという視点を身につけることができました。このような思考力は将来様々な国の人々と関わる時に不可欠になると考えています。

また、現在世界で広く認知されている英語能力試験であるTOEFL®テスト のスコアを取得していくことは、世界中の人々と同じ土俵に立ち、自分の実力を知るという点でとても有意義だと思います。TOEFL ITP®テストは内容的に難しいものもありますが、だからこそチャレンジし甲斐があり、普段の英語学習のモチベーションとなっています。TOEFL ITP®テストの受験を通じてTOEFL®テストのスコアを伸ばしていき、高校卒業後は12歳の時にホームステイを経験したボストンかドイツの大学で心理学を学んでいきたいと考えています。

 

6.桐光学園での英語教育と国際教育について

本校では、こちらで紹介したものの他にも、様々な英語教育活動、国際教育活動を実施しています。その一つが帰国生の教育プログラムです。本校では中学の帰国生入試を開始して7年が経ち、その第1期生が今年の春に卒業していきました。現在の中学3年生からは、「英語」の帰国生特別授業に取り組んでおり、ネイティブの教員と日本人教員がそれぞれ帰国生のニーズに合った授業展開をしています。とりわけネイティブ教員の授業では、欧米の学校の授業形態を意識し、エッセイライティングの指導などに力を入れて取り組んでいます。6月のTOEFL ITP®テストにおいては、帰国生特別授業を受けているほぼ全ての生徒が受験をし、現在は来年1月の二回目の受験に向けて準備をしています。

帰国生英語特別授業を受けている生徒の多くは、海外大学進学を希望しています。本校ではHarvard University / Massachusetts Institute of Technology (MIT) / University of California – Berkeley / Stanford Universityなどの名門大学に教員を派遣し、キャンパス等の環境の視察とともに、進学を希望する際の情報収集(必要書類・エッセイなどの準備)と各校の入試事務局担当者に対し選考基準の調査などを行っています。

2014年入試より、本校では高校帰国生入試をスタートします。国外での貴重な経験を持った帰国生徒の入学の機会が広がることで、在校生との間にも良い意味での相互交流が進んでいくでしょう。教育のグローバル化を迎えるこの時代に、本校は更なる飛躍を遂げていけるよう全力で邁進してまいります。

▲ 桐光学園中学校・高等学校

 


 

桐光学園中学校・高等学校
清沢健二先生

長野県立松本深志高等学校卒業。早稲田大学教育学部英語英文学科在学中、オレゴン大学へ交換留学(言語学専攻)。株式会社三井住友銀行で社会人経験をした後、英語科教諭として桐光学園中学高等学校へ勤務。「アカデミックスキルの育成」を信条に、世界基準で夢を叶える教室作りを目指している。今年度は高校生模擬国連活動の顧問として、初出場ながら全日本大会に導いた。

桐光学園中学校・高等学校
神奈川県川崎市麻生区に所在し、男女別学の中高一貫教育を提供する私立中学校・高等学校。高等学校からの入学者も受け入れている。国内の難関大学合格者数は神奈川県内でも上位に位置づけられる傍ら、高校野球や高校サッカーなどのスポーツでも全国屈指の名門校として知られる。「次世代の新しいリーダー」の育成を教育目標としており、近年では英語教育や国際教育に特に力を注いでいる。
URL:http://www.toko.ed.jp/high/

 

 


上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。


 

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