目白研心中学校・高等学校 森岡浩希先生
目白研心中学校・高等学校におけるTOEFL ITP®テストの導入の背景・目的、活用方法などを伺いました。
英語「を」ではなく英語「で」学ぶ、というメッセージを伝えたかった
導入の背景
本校では中学入学から卒業までに3回のコース選択の機会を設けています。中学2年生から3年生への進級時、中学3年生から高校1年生への進級時、そして高校1年生から2年生への進級時です。これは本校のキャリア教育を通して、将来の自分自身のあり方を自ら考えて選択する経験をさせるためです。本校には、総合クラスの他に特進クラスとスーパーイングリッシュコースの3つのコースが設置されています。その中のスーパーイングリッシュコースの生徒の英語力の定点観測を目的として導入しました。
導入の目的
TOEFLテストはスーパーイングリッシュコースを選択した生徒だけが受験をしています。TOEFLを選んだ理由は、生徒の英語力を世界レベルでの比較が可能だったからです。受験者が世界中にいて、自分たちのように英語を母語としない仲間たちが、自分たちのように英語を学んでいるということを感じてもらえなければテストをする意味がありません。また、将来は海外大学に進学することを希望している生徒もおりますので、TOEFL iBTへの段階的なステップとして導入を決めました。
活用方法
スーパーイングリッシュコースには中学3年生から高校3年生までの4学年が在籍しています。本校では年に2回、6月と12月にテストを実施しています。原則として6月は、中学3年生がTOEFL Primary Step2、高校1年生がTOEFL Junior Standard、高校2年生と3年生がTOEFL ITPをそれぞれ受験します。この時のスコアを見て、12月のテストでは中3や高1がTOEFL JuniorやTOEFL ITPを受けられる仕組みを取っています。自分のレベルよりややチャレンジングなテストを受けることで向上心を持たせる狙いです。現在、すべてのテストでスピーキングも実施しているので、知識だけでなく表現の部分も数値として可視化できている手ごたえがあります。試験の内容がテクノロジー、医学、気象学、地質学、生物学、化学、天文学、宗教学、哲学、芸術学、歴史、政治学、経済学、心理学、言語学など多岐にわたっており、そのほとんどが英語以外の授業で学んでいることだと気づく生徒が徐々に増えてきている印象です。
もう1つの目的は、教員の指導内容の軸を示す狙いがあります。スーパーイングリッシュコースの英語の授業には日本人教員が担当するものとネイティブ教員が担当するものに分かれています。技能ごとに分けて教えるのではなく、どちらも4技能すべてを教えるという決まり事を教員間に設けています。それに加えて、生徒たちが年に2回TOEFLテストを受けていることを念頭に置いてもらうことで、指導内容に共通の軸が生まれました。テスト対策は行っていませんが、通常の授業がTOEFLテストを意識することで生徒たちが身に付ける英語に大きな効果が出ています。
ペーパー版との違い
実施団体側の視点で挙げるとすれば、事前事後の作業が減った点がデジタル版に変えて良かった点です。ペーパー版の場合、資材を受け取り、内容物を確認し、当日まで保管し、実施後は資材の枚数などを正確に確認して返却する、といった作業がありました。デジタルではいくつかの行程がありますが、だいぶ省かれたように感じます。また、受験している生徒の視点でもメリットを感じました。それはやはり実際のTOEFL iBTの試験会場の雰囲気に近いという点です。特にスピーキングのパートでは他の受験生が発言している隣で自分のインストラクションに集中しなければならなかったり、うっすら聞こえてくる周囲の声に惑わされることなく自分の発言をしなければならなかったり、自分だけが発言していることに恥ずかしさを感じずに発言しなければならないなど、TOEFL iBT独特の難しさを体験できる点が大きなメリットだと感じています。
埼玉県出身。立教大学卒業後、バンクーバーに語学留学し、TESOLの資格を取得。帰国後、都内のいくつかの学校に勤務したのち、2008年に目白研心中学校・高等学校(当時は目白学園中学校・高等学校)に奉職。現在、スーパーイングリッシュコースの主任として、異文化理解力、論理的思考力、プレゼンテーション力、グループワーク力の向上とともにそれらを英語でも発揮できるグローバルスキルの醸成に力を入れている。
目白研心高校は、新宿区にある私立中高一貫高校。目標や習熟度に応じた学習サイクルによる基礎学習、進路を意識しながら学べる中3からのコース制、グローバル人材を育成する英語教育や留学制度の数々、通塾不要な学習支援センターの設置など、現代社会に求められる教育内容を実施している。部活動も盛んで、様々な部活動で心を磨いてリフレッシュできる環境がある。ラクロスやチアリーディングなどの運動系やボランティア活動に実際に参加するボランティア部など幅広い部活動がある。
Webサイト:https://mk.mejiro.ac.jp/
上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。
サポート・関連情報
TOEFL ITP®テスト導入・実施・活用に関する無料相談受付中!
ETS Japanでは団体向けTOEFL ITP®テストの無料相談を受付ています。2020年から自宅受験ができるデジタル版も提供しています。まずはご相談ください。
サポート・関連情報
TOEFL iBT®︎テスト特別受験制度
TOEFL®︎テスト日本事務局であるETS Japanでは、文部科学省より要請を受け、小学校の教員、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校及び高等専門学校の英語教員(常勤に限る)を対象にしたTOEFL iBT®︎テストの特別受験制度を設けています。
団体対象TOEFL iBT®︎テストバウチャー
TOEFL®︎テスト日本事務局では、教育機関・企業等の団体を対象にしたTOEFL iBT®テストバウチャーを取り扱っています。
団体がバウチャーを事前に購入、受験者にバウチャーを提供いただくことで、TOEFL iBT®テスト受験料の日本円での一括払いが可能になります。
団体・教育関係者向けNewsletter
ETS Japanでは、団体・教育関係者向けに新着情報メールを毎月1回の定期配信と不定期の臨時号を配信しています。定期配信の内容は、TOEFL®テスト、ETSプロダクト、ETS、ETS Japanの新着情報やセミナー・イベント情報に加えて、よくある質問の共有やTOEFL® Web Magazineの関連記事のご紹介などをお届けしています。無料で登録できますので、ぜひご活用ください。
TOEFL ITP®テストプログラムは、学校・企業等でご実施いただける団体向けTOEFL®テストプログラムです。団体の都合に合わせて試験日、会場の設定を行うことができます。全国500以上の団体、約22万人以上の方々にご利用いただいています。
Criterion®(クライテリオン)を授業に導入することで、課題管理、採点、フィードバック、ピア学習を効率的に行うことを可能にします。
英語圏の大学・機関だけでなく、世界中の大学・機関で、公式スコアとして留学や就活などに活用されています。コンピュータ上で受験し、スピーキングは回答音声をマイクを通して録音、ライティングはタイピングで回答します。
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